前回の記事で主要旅行会社の全体数値、及び各社の動向・特徴について記述していきましたが、今回は主要OTA(ネット専門の旅行会社)について記述していきます。
-
-
旅行会社一覧!国内旅行の取扱シェアのランキング・各社特徴を徹底解説!
国内の主要旅行会社の特徴や各社が注力するビジネスモデルを一通りまとめてみました。ここに取り上げた会社で旅行業の半分以上の売上を支えているので、この旅行会社一覧の動向を知ることで、大きな旅行業界の流れも ...
OTA(Online Travel Agent)とは?
OTAと言えば楽天やじゃらんが代表的です。
業界では普通に使用する言葉ですが、一般的にはあまり知られていないと思います。まず、OTAとはなんなのか?
OTAとはOnline Travel Agentの略称で、簡単に言うと実店舗を持たずにネットだけで旅行商品を販売するオンライン予約サイトです。店舗販売をメインに扱っていた従来の旅行会社がWeb販売を始めたものはOTAとは言いません。OTAとはインターネットだけでの販売を行う旅行会社です。
基本的に新しめな会社が多いです。詳しい定義はJTBが提示するものが分かりやすいです。
OTA(Online Travel Agent)とは、インターネット上だけで取引を行う旅行会社のこと。店舗で営業を行っている旅行会社のオンライン販売はOTAとは呼ばない。国内外の宿泊や航空券などの手配旅行、宿泊と航空をセットにしたダイナミックパッケージ、施設とお客様が直接契約する宿泊仲介、旅行保険などを取り扱うことが多い。24時間いつでも膨大な数の商品を閲覧・検索でき、店舗へ出向く必要のない利便性が消費者の支持を得ている。店舗を構えることも営業社員を抱えることもなく、システム投資がほとんどであることから、旅行業以外からの参入が多く見られる。OTAに対し従来型の旅行会社は、自社サイトと店舗、電話販売を関連させ、それぞれの利便性を追求したクロスチャネル販売に力を入れている。
-JTB総合研究所用語集
じゃらん、楽天や一休などは日本の企業ですが、近年は外資のOTAも積極的に国内に進出しています。テレビCMを行っている、エクスペディア (Expedia)、ホテルズ.com (Hotels.com)、ブッキング.com (Booking.com)、アゴダ (Agoda)などがメインどころの外資企業OTAです。世界的企業で会社自体の規模は桁違い。僕も世界一周の時も含め海外旅行の際は上記外資サービスをよく使っていました。
最近では急激に国内にも浸透しつつありますね。訪日旅行が世界的にも注目されてきていることもあり世界大手各社も日本市場に本格参入を始めています。
ちなみに日本最初の OTA「ホテルの窓口」(のちに「旅の窓口」と名称変更後、2005年に「楽天」に買収されたので楽天トラベルに)が開設された1996年に、米国では Expedia(取扱高No.1) が事業を開始しました。
海外OTAについての規模感・各社の特徴・動向などはこちらの記事でまとめております。
-
-
海外の旅行会社まとめ!外資系OTAを代表する3つのグループ企業の実態
海外OTA企業の中で日本国内での動向が目立つ企業、今後日本での存在感がより強くなる可能性があるサービスを紹介していきます。 世界旅行業の大枠をおさえるために最後にOTA以外の世界の超大手企業4社の概要 ...
OTA企業の影響力・全体数値をチェック
まずはOTA市場の全体傾向をみていきましょう。 マーケットとしてはかなりの急成長をしています。
・TTA(既存リアル旅行会社)のオンライン販売強化
・ダイナミック・パッケージ(DP)販売が増加
・海外OTAサイトの進出
主に上記の3つの影響でオンライン率が増加しています。
もちろんユーザーのインターネット術上達という時代の流れも相まっています。
OTA取扱高推計値 約1兆1000億円(2013年度)
全体のOTA比率 約40%
(1兆1000億円÷オンライン販売額2兆9000億円)
鉄道(新幹線)のOTA比率 6% OTAシェア最小
宿泊施設のOTA比率 75% OTAシェア最大
2兆9000億円という分母はサプライヤー(宿泊施設・移動手段)の取扱高のうちオンラインで販売された額です。サプライヤー取扱高が年間約9兆円弱なのでオンライン比率は33%。そのうちの40%をOTAが販売しているということはすごい数字です。
ネット旅行市場の中心にいるのがOTA企業です。
残り60%には旅行会社(JTBなど)などの販売分、ホテルや新幹線などの自社サイトによる直接販売などとなります。
2011年度から2013年度で約6割増となっています。
国内2大OTAの楽天トラベルとじゃらんの各販売額も24.4%増の3644億円と大きく増加していますが、両社の全体に占めるシェアは60%から46%と減少しています。というのも、i.JTBの販売額は51%増(1613億円)、その他の旅行会社は2.4倍(計6375億円)で、2大OTAを上回る伸び率となっているからです。※「その他の旅行会社」には、楽天トラベル、リクルート、一休、i.JTB以外の旅行会社(日本に拠点を置く海外OTA含む)
-(フォーカスライト推定値)
では一社ずつ、特徴や近年の動向、及びに業績をみていきましょう。伝統的旅行会社と比較して上場していない企業も多いので、業績において明確な数値が取れていないところもあります。
OTA旅行会社①:楽天トラベル
この段落の要約
日本初のOTA「ホテルの窓口」を買収して、現在国内登録宿泊施設数NO.1。7000億円の売上高の楽天の旅行部門(数値は取扱高ではなく収益ベース)。
ANAのダイナミックパッケージ強い。トラベル部門の流通額6000億円超え、じゃらんとほぼ同等の国内No.1OTA。
理念
インターネット・サービスを通じて、人々と社会を“エンパワーメント”する
楽天の沿革
1997年 設立
2001年 インターネット上の宿泊予約、総合旅行サイト『楽天トラベル』のサービスを開始
2004年 楽天野球団設立
2005年 楽天カード発行開始
2006年 楽天ANAトラベルオンライン株式会社設立(全日本空輸株式会社と共同出資)2008年 EC事業で初の海外展開
トラベル事業の歴史
1996年 「ホテルの窓口」として営業開始
1999年 旅行の総合サイト「旅の窓口」にリニューアル
2001年 「楽天トラベル」サイトオープン
2002年 楽天株式会社よりトラベル事業が分社化
2003年 楽天株式会社が、「旅の窓口」を運営するマイトリップ・ネット株式会社の株式100%を取得。
2004年 楽天トラベル株式会社とマイトリップ・ネットが合併
2005年 株式会社スターツアーズジャパン(現楽天バスサービス株式会社)を 子会社化
2006年 楽天グループとANAグループの共同出資で楽天ANAトラベルオンライン株式会社を設立
2014年 楽天株式会社が楽天トラベル株式会社を吸収合併
自己資本比率 約15% 2015年12月期
従業員数 12981名
セグメント別の売上高をみていきます。
インターネット
売上高 4407億円(21.5%増) 営業利益 995億円(45.4%増)
Fintech
売上高 2750億円(16.3%増) 営業利益 639億円(29.1%増)
その他
売上高 521億円(22.7%増) 営業利益 -86億円(-)
※インターネットサービスは、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営や、これらのサイトにおける広告等の販売等を行う事業により構成。楽天トラベルの業績もここに含まれています。
国内流通額2.7兆円(10.2%増)
グローバル流通額 9.1兆円(22.8%増)
モバイル経由流通総額比率が54.2% 2015年データ
2014年末の段階で、
楽天会員数は、9700万7500人。会員登録後に1度以上ログインしているのは7000万3300人。また、同期に1回以上商品購入をしたユニーク購入者数(メールアドレスで名寄せ)は3か月で前年2.1%増の1584万人。
楽天やっぱりすごい数字ですね。楽天プラットフォーム上で年間9兆円のお金が動いているのです。 では本題の旅行部門にしぼってみていきます。
2014年度末 楽天トラベル
予約流通額 6380億円 売上収益 372億円 営業利益 155億円
(流通額・・予約受付ベースのキャンセル前取扱高・消費税込)
※2015年決算書の楽天トラベル単体の数値詳細なしのため2014年数値
これが日本企業TOPのOTAサイトの数値です。
何よりも日本国内の宿泊施設登録数は、第1位となっています。
2016年1月時点で登録宿泊施設数は日本国内が2万8千前後、海外が6万前後。
楽天トラベルの宿泊予約においては、楽天が宿泊施設に予約システムを提供し、宿泊施設から手数料(システム使用料)を受け取る、日本のOTAで一般的なビジネスモデルが用いられています。
また2015年1月段階で10言語のインバウンド予約サイトあり
訪日対策に関しても別記述で詳細記載。
ANAのダイナミックパッケージ強い。トラベル部門の流通額6000億円超え、じゃらんとほぼ同等の国内No.1OTA。
「ANA楽パック」とは
ANAのフライト約900便、宿泊施設は約20,000軒と豊富な商品の中から、お客さまが自由に組み合わせ、オリジナルの国内ツアーを作ることができます。さらに、オプションでレンタカーとの組み合わせが可能。つまり、ANA便を用いたダイナミックツアー。楽天のポイントのみならず、ANAのマイルも溜まる!
サイト内容
国内旅行、国内ツアー【ANA楽パック(航空券+宿)、JAL楽パック(航空券+宿)、往復JR+宿泊】、高速バス、海外旅行、海外ツアー、海外航空券、海外ホテル、割引クーポン、懸賞広場、観光案内
ホテル単体の予約は国内旅行内に含まれます。
宿泊エリア選択を、大きな地図上で行わせるので分かりやすいです。ホテルを地図上で選択することも可能。
ダイナミックツアーなので、行きと返りの飛行機の発着地を変えられます。
飛行機の発着地と異なるエリアのホテルも選択可能。
飛行機とホテルをそれぞれ好きなものを選び、パッケージ料金が表示されます。
宿泊施設への手数料は8%ほど。
変わりやすい。6ヶ月先まで在庫を登録していたら安くなるなど条件あり。
OTA旅行会社②:じゃらん
この段落の要約
情報雑誌の販売。じゃらん.netはDPと宿予約がメイン。
流通額6000億円超え、楽天トラベルとほぼ同等の国内No.1OTA。
2016/3期決算
自己資本比率 約68% 従業員数 38,451名(2016/3時点)
リクルートは第3種旅行業種
沿革
1990年 海外旅行情報誌エイビーロード(2006年休刊)の国内旅行部分を分離して創刊
1994年 株式会社リクルート北海道じゃらん設立
2000年 じゃらんnet開始
2014年 株式会社リクルートホールディングス東京証券取引所市場第一部上場
旅行分野単体の売上推移
2015年度 売上高 608億円(13.8%増)
2014年度 売上高 534億円(10.3%増) 取扱額は6891億円
2013年度 売上高 484億円(8.7%増)
2012年度 売上高 446億円(9.8%増)
引き続き宿泊単価の上昇や同社グループのサービスにおける延べ宿泊者数の増加等を背景に、売上高は好調に推移。楽天トラベル上回る規模に。
リクルート全体の売上内訳
参考までに旅行部門のみでなく、運営会社リクルートの業績値(2014年度)を。
① 販促メディア事業
売上 3334億円 セグメント利益(EBITDA) 962億円(1%増)
EBITDA・・・営業利益+減価償却費+のれん償却額
1.ライフイベント領域 1777億円
住宅分野 839億円 、 結婚分野 536億円
2.日常消費領域 1554億円
旅行 534億円 、飲食 343億円 、 美容 399億円
②人材メディア事業
売上 3027億円 セグメント利益 780億円(6%増)
1.国内人材募集領域 2398億円
2.海外人材募集領域 461億円
③人材派遣事業
売上 6752億円 セグメント利益 407億円(17%増)
1.国内派遣領域 売上高は3,895億円
2.海外派遣領域 売上高は2,856億円
④ その他事業
売上高 20億円(29.9%減) 利益 -112億円 (前年度-115億円)
各サービスにおけるユーザーIDの共通化に係る投資等を行ったため。
25歳以上のビジネスマン向け情報誌・情報サイト「R25」の発行・運営等
国内の宿・ツアー・周辺観光情報を掲載した情報誌・情報サイト「じゃらん」を発行・運営している。猫のキャラクターの雑誌です。情報サイトでは、単なる情報提供にとどまらず、宿泊予約までサポート。また、日本各地に配置されたスタッフが、旅館やホテルの情報をきめ細かく収集し、独自プランを提供している。
宿泊予約に関しては、ウェブサイトに加えて、じゃらんnet予約センター(コールセンター)を通じた電話予約も可能です。ただし、予約センター経由の申し込みの場合は、リクルートポイントの加算はないそうです。
2014年度取扱高は27%増の6891億円
一部の広告課金 + 成果課金モデル
主なビジネスモデルは、ユーザーが「じゃらんnet」を通じて予約した宿泊施設の客室単価に対して一定の手数料を受け取る成果課金型。
—じゃらんフォーラム2015の発表による数値
各分野ごとの業績は下記のように発表されています。
・ダイナミックパッケージ:JAL・ANA各社と進めるダイナミックパッケージが2012年から2014年まで、ほぼ倍増で成長。
・法人サービス:営業体制を強化することで契約企業数、人泊数増加。
・若者需要創造(マジ部):2014年に開始した「マジ部」。需要喚起策に呼応する若者が拡大している。若手の意見も通りやすい会社ならではの施策。
・ふるさと割(ふるさと旅行券):35自治体からの受託決定。最終的には40自治体になる見通し。あらゆるジャンルにおいて全国に営業布陣が構築されており地域との結びつきも強い。
インバウンドではアフィリエイトの提携先を増やし、サイトリニューアルなどを行って強化を進めています。2015年度は4言語(タイ、マレーシア、インドネシア、フランス)を追加し合計8言語に。
サイト内容
宿・ホテル予約、じゃらんパック(交通+宿泊)、遊び・体験予約、観光ガイド、ツアー、レンタカー、高速バス、航空券
海外ホテル、海外航空券、航空券+ホテル
●宿・ホテル予約
出張ビジネス、温泉・露天、高級宿、日帰り・デイユース
●じゃらんパック
JR新幹線・特急+宿泊、JAL+宿泊、ANA+宿泊 (+レンタカー)
各移動手段に加えて、「宿ごとに」と「宿泊プランごとに」の2種類から選択
●遊び・体験予約
エリア別に体験みられる
口コミや周辺情報あり。周辺の宿も選択可能。
●観光ガイド
旅行ガイド、観光ガイド、ご当地グルメガイド、イベントガイド、みんなの旅行記
観光地・料理店それぞれ口コミ情報あり、訪問者の特徴分布などもあり。旅行記は各ユーザーのモデルコース
●ツアー
他社の商品を販売する比較サイトの役割。ポータル
●航空券
各航空会社のサイトで予約を行わせる。情報提供のみ。
旅行先でのアクティビティの予約ができる「遊び・体験予約」サービスを2015年7月に開始しています。「遊び・体験予約」サービスは、日本全国約3,000施設と提携し、「スキューバダイビング」や「トレッキング・登山」など、インドア・アウトドア双方のさまざまなアクティビティプログラムをインターネット上で予約。
「遊び・体験予約」サービスによって、旅行先でのアクティビティを軸とした宿泊施設の検索を可能としました。
詳細は現地アクティビティの記事で。
-
-
注目度上昇中の着地型観光とは?旅行先での体験アクティビティを販売するサービス分析!
これまで別記事で旅行消費額のうちの大半を占める飛行機や新幹線といった移動手段、宿泊施設、レンタカー、及びそれらを販売する旅行会社やOTAについて記載してきました。 今回は旅先での体験・遊び部分のマーケ ...
OTA旅行会社③:i.JTB
この段落の要約
JTBのWeb販売はすべて(株)i.JTBが運営している。1974億円でJTB全体取扱高の約15%。
るるぶとJTBサイトで契約体系は異なる。
理念
情報化社会の中で常に進化し、お客様に夢と感動のある商品・サービスを提供しつづけることによって、平和で心豊かな社会の実現に貢献します。
株式会社i.JTBとして運営
2006年に純粋持株会社に移行したJTBから、インターネット販売やコンビニエンスストアのマルチメディア端末での発券業務などの部門に特化した事業を行うために会社分割によって設立。
従業員数 200名
取扱額 1974億円
この数値がJTBのインターネット販売の総称と捉えられます。
JTBグループにおけるインターネット販売事業の軸は下記です。
・JTBホームページ http://jtb.jp/
・るるぶトラベル http://rurubu.travel/
・JAPANiCAN http://japanican.com/ (訪日客用)
・提携先企業のホームページ
・コンビニエンスストア各社が運営する情報端末などにおいて旅行商品の販売やサイトの運営を推進
国内・海外・訪日旅行部門合計1兆1573億円の Web 販売取扱額は1,974 億円(10.7%増)であり、約15%の売上高を占める。
OTA旅行会社④:るるぶトラベル
この段落の要約
上述の株式会社i.JTBが運営。JTBの売上や利益の中に含まれています。
沿革
当初はe-Hotelという名称であったが、2007年3月のサイトリニューアルとともに現在の名称に変更しました。
国内宿泊予約の場貸しサイトである「るるぶトラベル」
スマートフォンでのアクセス率26% 2013年度
※成約ベースでは18%になる
JTBホームページの国内宿泊のスマートフォン率とほぼ同じ数字
2012年度売上がるるぶトラベルは500億円程度だが、2015年までにるるぶトラベル単体で1000億目標。JTBHPでは同時期250億円程。
サイト内容
宿・ほてる、国内ツアー、航空券、レンタカー、体験・観光プラン、高速バス、観光情報、海外旅行
[観光情報]はるるぶ.comにリンクとぶ
2007年、宿泊施設側が自由に客室を提供する“場貸しモデル”サイトとしてオープン。宿予約、航空券予約、レンタカー予約ができ、組み合わせて予約が可能だがパッケージツアーではない。
ほぼ国内専用。
※情報雑誌「るるぶ」に関しては観光情報部門で記述。
【契約形態】
※ややこしいですが、「JTBプラン」と「るるぶトラベルプラン」の利用規約は異なっています。
<<JTBプラン>>
顧客とJTB(ネット予約、電話・メールによる予約申込、または店舗での予約により、取扱箇所は異なります。)との間で締結される手配旅行契約となり、予約に関する取消・変更、お問合せは各JTB取扱箇所まで連絡。
<<るるぶトラベルプラン>>
顧客と予約宿泊施設との直接契約となり、予約に関する取消・変更、お問合せは宿泊施設まで連絡。るるぶはあくまでも予約の場貸しといった立ち位置です。
OTA旅行会社⑤:一休
この段落の要約
高級旅館のみを紹介する宿泊予約サイト、ANAのDPあり。
2015年にヤフーに買収される。
企業理念
株式会社一休は、社会に役立つ新しい価値を創造し続けます。
沿革
1998年 設立
2000年 一休.com
2005年 東証マザーズに上場
2007年 Yahoo!トラベルとの宿泊プラン横断検索連動による提携開始
2008年 宿泊と国内航空券をセットにしたパッケージ商品「一休.com Pack」取扱開始
2012年 ANAとの共同商品「ANA一休パック」販売開始
2014年「一休.com海外」開設、海外の高級ホテルの販売を開始
2015年 ヤフーが一休をTOBにより1000億円で買収ヤフーの中でも史上最大額規模の企業買収
自己資本比率 64%
宿泊予約 53億円 その他(レストラン・EC等) 13億円
一室あたりの平均単価26603円 (8.8%増)
取扱質 199満室 (9.6%増) 2015年3月期
全体約393万人
男性:女性=53:47 平均年齢 : 男46歳 女43歳
同ブランドで旅行にまつわる複数の分野のサイト運営しています。
事業内容
高級ホテル・高級旅館専門予約サイト「一休.com」
ワンランク上の宿泊特化型ビジネスホテル予約サイト「一休.comビジネス」
海外のラグジュアリー&アップスケール ホテル・リゾート予約サイト「一休.com海外」
国内最大級 厳選レストラン即時予約サービス「一休.comレストラン」
物ではなく時間を贈るギフトチケット「一休.comギフト」
極上の癒しを体験できる、厳選スパ「一休.comスパ」
一休が押している強み3点
会社の規模が小さい。(6名で2100施設をまわし、正社員65名がワンフロアに(2012年))
顧客の倒産率が低い。(高級ホテルということで規模大きめや安泰したとおろが多め)
在庫を持たないこと
部屋が空くとホテルがシステム上で入力するので、商品はホテルから24時間随時出てくる。「一休.com」はオークション会場のようになっているわけです。コミッションもJTBの半分ですからホテルにとって使い勝手がいい。手数料は10%。2012年度。
サイト内容
国内宿泊予約 海外宿泊予約 レストラン予約 スパ ギフト
国内宿泊予約
ホテル、ビジネスホテル、旅館、カジュアル旅館
一休Plus、プレミアホテル・旅館、新着宿泊施設、航空券+宿、
一休GROUPTOUR、タイムセール、ランキング
ANAとのダイナミックパッケージもあり。ホテルを地図上で選択することも可能。検索項目は非常に豊富。行きたい宿のストック機能あり。見比べリストあり(最大10件。気になるプランを見つけたらメモ代わりに見比べリストに)
OTA旅行会社⑥:DeNAトラベル (現エアトリ)
この段落の要約
スカイゲートから社名を変更。売上額は増額中。
国内ツアーはANAとのダイナミックパッケージツアー。海外旅行の方が強みがある。
2018年にエアトリに買収され、ブランドも統合されたため、現在DeNAトラベルは存在しません。当記事では掲載保留しています。
おすすめの飛行機予約に特化したOTAサイトはこちら
-
-
【2020年最新】航空券比較予約サイトのおすすめ18選!人気の飛行機予約サイトを徹底比較
旅行費用のなかでも大半を占めることになる航空券代金。航空券を安く購入できるようになるとより旅行に行きやすくなります。 今回はより安く便利な日時の飛行機を予約できる、各航空会社の航空券を比較してくれる航 ...
理念
Delight and Impact the World 〜世界に喜びと驚きを〜
DeNAトラベルのミッション
世界中の旅する人々に感動と 幸せを提供し続けること
沿革
1979年 旅行業の営業を開始
1984年 エアーリンクトラベル
2006年 株式会社ディー・エヌ・エーの連結子会社となる
2008年 スカイゲート株式会社と合併
株式会社地球の歩き方T&Eより海外航空券販売事業を譲受
2009年 世界最大のオンライン旅行会社エクスペディアと業務提携
2014年 LCC各社と直結した検索予約システムを提供開始
2015年 社名を株式会社DeNAトラベルとする
各国版DeNAトラベルを開始
2015年3月期
売上高 1424億円(21.5%減) 営業利益 248億円(53.4%減)
ソーシャルメディア事業 売上 1155億円(26%減) 営業利益 305億(47%減)
EC事業 売上 187億円(0.4減) 営業利益 30億円(20.6減)
その他 売上 83億円(23増) 営業利益 -26億円(前期は-19億)
決済代行サービスを提供する株式会社ペイジェント及び「DeNAトラベル」等の旅行代理店サービスの取扱高は増加。
株式会社DeNAトラベル
2013年10月にサービス名を「スカイゲート」から変更
従業員数 232名(2016年3月31日)
売上高 400億円(前期比16%)
売上収益は41億円
※DeNAの場合は売上高=取扱高
サイト内容
海外航空券、海外ホテル、海外航空券+ホテル、海外ツアー、国内航空券、国内宿・ホテル、国内ツアー、法人のお客様
OTA旅行会社⑦:MAPPLEトラベル
この段落の要約
株式会社昭文社が運営
情報雑誌、及び宿予約がメインのWebサイト
情報雑誌まっぷるが主力事業。Webでは宿予約がメイン。
「マップルリンク」
国内旅行ガイドブックシリーズ『まっぷる』の読者限定サービスで、100万ダウンロードを突破、無料のスマートフォンアプリ。まっぷるを買うと、宿泊料金ALL5%OFFで雑誌専門から脱却しWeb戦略も注力し始めています。
一般的な宿泊予約サービスでは、ポイント付与などで割引を行っているが、「マップルリンク」を経由したこの値引きは、弊社が宿泊施設から得る手数料から「まっぷる読者特典」の5%分を割り戻すことより、宿泊施設の負担を実質ゼロにし実現させている。顧客の直接の利益となる現金値引きにより顧客満足度の向上を目指しています。
宿泊料金を時期やプラン内容に関係なく、一律5%現金値引きでご提供するのは、宿泊予約業界では初。
2015年4〜9月期
インバウンド関連売上 4000万円
サイト内容
ホテル・旅館予約、JR+宿、レンタカー、高速バス、国内航空券、海外旅行、お土産旅行用品、旅行ガイドブック地図
JR+宿、レンタカー、高速バスは、日本旅行が提供するオンライン予約サービス。日本旅行サイトに飛ぶ
国内航空券は旅キャピタルが提供するオンライン予約サービス
海外ホテル予約は、アップルワールドが提供する予約サービス。
お土産旅行用品は、RHトラベラーが提供する予約サービス。
OTA旅行会社⑧:ゆこゆこネット
この段落の要約
温泉・宿予約サイト、日本旅行と提携。
温泉・宿予約サイト
株式会社ゆこゆこが運営 (リクルートグループ)
1999年設立
理念
ゆとりの出来た世代のみなさまに、より多くの愉しみを持っていただくことが私たちの願いです。私たちは、「泊まる」「遊ぶ」「食べる」などの地域との出会いを創造し、新たな出会いや発見を提案します。みなさまと共に考え、喜びを拡げていくことで、日本を元気にできる企業を目指します。
「ゆこゆこネット」の運営及び、国内宿泊情報誌「ゆこゆこ」を発行している、
登録者数(2015年12月末時点) 約650万人
ゆこゆこ予約センターを通した宿泊者 年間265万人(2015/3期)
【契約施設数】約2,900軒(内訳非公開)
【手数料率】25.5%+消費税
利用者の50%以上は夫婦。
サイト内容
お風呂検索、身体に優しい施設検索、温泉地検索、観光スポット・イベント検索、予約確認・変更キャンセル、宿泊+JR
お風呂検索 お風呂設備の詳細検索
身体に優しい施設検索 施設の詳細検索
温泉地検索 エリア別検索
コールセンターもあり
宿泊+JRは旅行企画・実施日本旅行に対して、(株)ゆこゆこが受託販売。予約方法は電話のみ。
OTA旅行会社⑨:EVOREBLE ASIA
この段落の要約
航空券販売のBtoCとOEM提供のBtoBが主力。
海外ITオフショアなども行い海外と日本をつなぐことがメイン事業、訪日も注力。
理念
アジアは一つとなり世界をリードするひとつのアジアとして経済圏が巨大化するなかで、当社は、人の移動と仕事の移動を通じて、アジアを繋ぐ架け橋となることを目指しております。EVOLABLE ASIAが繋げる。アジアが繋がる。
沿革
2007年 株式会社キャピタル設立
2013年 株式会社エボラブルアジア
2016年 3月31日上場
オンライン旅行事業
訪日旅行事業
ITオフショア開発事業
3事業が主軸
2015年9月期 取扱高206億円 旅行取扱額 196億円
2014年9月期 取扱高153億円 旅行取扱額 148億円
2013年9月期 取扱高130億円 旅行取扱額 139億円
2012年9月期 取扱高107億円 旅行取扱額 107億円
2011年9月期 取扱高100億円 旅行取扱額 100億円
自己資本率 約15%
オンライン旅行事業 国内航空券取扱高OTA業界最大手
事業内容
B to Cサイト 自社直営サイト
業界最大規模の国内航空券取扱と各航空会社との提携等で、強い競争力を実現。国内・海外航空券を簡単に比較・予約出来るサイトや海外ホテル予約サイトなどを運営している。サイトの使いやすさに一層こだわりお客様に最適な旅の選択肢を届ける。
TRIP STAR 総合旅行予約サイト
エアーズゲート 国内航空券予約サイト
e航空券.com 国内航空券予約サイト
空旅.com 国内航空券予約サイト
旅ウェブ 海外ホテル予約サイト
CAS TOUR 海外格安航空券予約サイト
BtoBtoC 旅行コンテンツOEM提供の案内
国内航空券・旅行、海外航空券・ホテル商材を、他社媒体様へ旅行コンテンツとして提供をしている。コンテンツのラインナップを増やすことにより、媒体ユーザー様の顧客満足度向上の一助となる。
媒体のメリット
オリジナルコンテンツの充実、顧客満足度の向上、新たな収益源、初期コストなし、成果報酬払いのみ
BTM
導入コストもランニングコストもなし。発生した予約の手数料のみ。
エボラブルアジアは企業情報ページが充実しすぎていたので、ほぼほぼ企業ページに載っている情報です。
2018年にEVOREBLE ASIAはDeNAトラベルを買収し、エアトリに統合させ、飛行機予約サイトとしての規模を一気に拡大しました。
OTA旅行会社10:relux
この段落の要約
Loco Partnersが運営する一流ホテル・旅館に特化した宿泊予約サイト
10言語対応
理念
贅沢という言葉を聞いたとき、大切な人と一緒に過ごす時間や、人と触れ合って感動する事が、まず連想される国にしたい。
株式会社Loco Partnersが運営の一流ホテル・旅館を厳選した会員制の宿泊予約サイト
2014年時点、国内200件の宿泊施設の予約に対応している
2015年7月 時点で、600件の宿泊施設
売上高 非公開
ユーザーは30代から40代が中心。客単価は9万円前後で、会員数は7万人。
英語、スペイン語、中国語(繁体字)、中国語(筒体字)、タイ語、韓国語、ベトナム語、アラビア語、インドネシア語、フランス語に対応
全国各地の一流旅館・ホテルを泊まりあるいてきた審査委員スタッフが、厳しい審査をし、心からオススメすることのできる厳選した施設だけをご紹介している。
また、ただ紹介するだけではなく、すべての施設と直接の交渉・打ち合わせを重ね、会員にとってよりお得に、特別な宿泊体験が楽しめるrelux限定プランを提供している、クオリティに徹底的にこだわられたサービスです。
下記がreluxならではの魅力的な特徴
●どこよりもお得に
宿泊プランはすべて、会員限定の価格。万が一、reluxのほうが高い場合は差額を返金。
●5%のポイント還元
業界最高、宿泊費の5%をreluxポイントとして還元。貯まったポイントは1P=1円で、次の旅行で利用可能
●特別なおもてなし
お料理/お部屋の無料アップグレードなど、relux特典付きの宿泊プランあり
●コンシェルジュサービス
reluxコンシェルジュは、テーラーメイド型の旅行提案サービス(無料)。要望に応じて一流旅館・ホテル滞在プラン提案。
サイト内容
●人気宿ランキング
過去のランキングを全て見られる
●theater
実際の物や設備でなく、”人”や”想い”にスポットをあてた情報を提供
施設数を増やして成長してきたOTAに対し、最近のオンライン旅行ビジネスでは、掲載施設のセグメントをフォーカスしたり、掲載の仕方に特徴を持たせた宿泊予約のキュレーションサイトが増えてきています。この動きについては「施設数のボリュームを持つOTAが増えたからこそ発展したもの。ユーザーの使い分けが出てきた」と見ているとのことです。
reluxに掲載されているホテルはどれも行きたいと思わせるものばかりで、僕自身もよくreluxのホテル眺めています。見ているだけで楽しくなるような一つ一つ素敵な個性の強いホテルが多いです。あとはSNS広告にかなり力を入れられており(特にFacebook)、露出度かなり高いですね。
OTA旅行会社11:BEST RESERVE
この段落の要約
旅の窓口メンバーが立ち上げ。日本旅行との結びつき強い。
株式会社ベストリザーブが運営
沿革
2000年 国内宿泊予約サイトとして開設 (旅の窓口メンバーがスピンオフ)
2011年 日本旅行が運営する「宿ぷらざ」と統合し、ベストリザーブ・宿ぷらざに名称変更
2007年9月期、
売上高が2億8175万5000円、営業利益が607万5000円
ビジネスホテルに強い
雨が降ったら全額返金のお天気保険付プランもあります。
サイト内容
国内宿泊、JR+宿泊、ベストプライスルーム、レンタカー予約、高速バス予約
ホテルの選択方法は地図から選ぶあり
JR+宿泊、レンタカー予約、高速バス予約は日本旅行サイトにリンクとばす
会員数 200万人 契約施設数 約1万軒
OTAとは・OTA会社一覧まとめ
以上、主要な国内OTA企業について記述しました。各社に特徴・強みがあるので、それぞれ有効に活かしていきましょう。
OTA台頭のお陰で、より一層安く便利に旅行に行けるようになっています。
国内旅行市場における旅行業界全体の分析はこちらの集約版記事で、1番見られている記事です。
-
-
【徹底解説】誰でも分かる旅行業界の動向まとめ(2020年/国内旅行編)
国内旅行市場における旅行業界の全体像を掴むための記事を1つにまとめました。旅行業界のなかでもどのような領域があるのか明確化し、各分野のマーケットサイズ、各企業の動向を紹介していきます。 訪日旅行(イン ...
外資企業のOTA企業一覧の記事はこちら
-
-
海外の旅行会社まとめ!外資系OTAを代表する3つのグループ企業の実態
海外OTA企業の中で日本国内での動向が目立つ企業、今後日本での存在感がより強くなる可能性があるサービスを紹介していきます。 世界旅行業の大枠をおさえるために最後にOTA以外の世界の超大手企業4社の概要 ...