Webサイトの大きな集客チャネルの1つとなる『アフィリエイト広告』について解説します。まだ利用したことがない人でも分かるようにアフィリエイト広告の仕組みやデメリットまでも合わせて紹介します。
アフィリエイト広告 とは
「アフィリエイト広告」とはインターネット広告の一つで、広告経由でコンバージョンが生じた際にのみ費用が発生する成果報酬型の広告となります。確実に顧客獲得単価(CPA)以内でコンバージョンを増やせることで定評のある広告です。
形態としては、『媒体主(アフィリエイター)』が自身のWebサイトやブログに『広告主』の商品についての広告を貼ります。その広告経由でCVが発生したら、広告主が媒体主に規定の手数料を支払います。
アフィリエイト広告の仕組み
広告を出稿する企業(広告主)は、2つの方法でアフィリエイト広告を実施することができます。
1.ASPというサービスを利用する
2.様々なWebサイトと直接提携する
1.が圧倒的にメインなので、1.の方を中心に解説していきます。
広告主は、ASP上に販売してほしい商品の広告を出稿します。ASPに登録しているアフィリエイター(サイト運営者)が自身のサイトと相性の良さそうな好きな広告を選択してサイト上で紹介をします。アフィリエイターは基本的にASPへの登録は無料で、最低限のサイト審査にさえ通れば、どんな広告でも利用可能です。
●媒体主...広告主の商品を自分の運営サイトで紹介して、サイト閲覧者が商品を購入すると成果報酬が発生
●広告主...自社商品をアフィリエイターに販売してもらうことでチャネル拡大
「媒体主のサイトで紹介した広告」経由でコンバージョンをしたことをASPがしっかりと計測してくれて、成果に応じた報酬が支払われます。CVした中でもキャンセルされたりなど「否認」されることもあり、「承認」された段階で喜べます。
アドネットワークを活用して他広告へ広告を掲載できるディスプレイ広告はこちらの記事で解説しています。掲載面は似ているところもありますがディスプレイ広告はクリック単価制であることがメインで仕組みは全く異なります。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)とは
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)は、媒体主(Webサイト運営者/アフィリエイター)と広告主(広告出稿者)をつなぐ仲介役です。多くのアフィリエイターがASPに登録していて、多くの広告主もたくさんの広告をASPに出稿しています。
広告主は自社の広告を多くのアフィリエイターに掲載してもらえ露出が増えるし、アフィリエイターからするとより自分のサイトで成果を出せそうな相性の良い広告を選択できます。ASPにも多くの事業者があり、広告主も媒体主も複数のASPに登録していることが一般的です。おすすめのASPも下記で紹介します。
ASPがなければ「2.様々なWebサイトと直接提携する」方法でアフィリエイトを進めるしかないです。広告主が自社商品に合いそうな様々なWebサイトへ営業をかけ、提携した後も各媒体経由でコンバージョンがいくら発生したかなど継続的に集計し続ける必要があります。ASPは機会拡大だけでなく、管理の手間やミスも大きく減少してくれているのです。支払いもASPを通して行うのでトラブルも起きにくいです。
●媒体主…登録無料、簡単なサイト審査のみ通ればok、自由に広告を掲載できる
●広告主…出稿のために固定費がかかる。それ以外は成果ごとに規定の手数料を支払い
アフィリエイト広告の手数料
アフィリエイト広告は広告主からすると、確実に設定したCPA以内でCVを獲得できることが魅力的です。実際にコンバージョンが発生した場合のみ広告手数料が発生します。
アフィリエイト広告の手数料は、主に2パターンの設定が多いです。
1.定率_売上額の○%
2.定額_1件あたり×××円
1.の場合で例えば「手数料が5%」だとした場合は、2万円の商品を1件販売できたら1000円の報酬が発生します。2.の場合で例えば「固定額1200円/件」だった場合、1万円の商品を販売できても2万円の商品を販売できてもどちらの場合も1200円の報酬が発生します。1の定率パターンの方が主流ではあります。
アフィリエイト広告のメリット
Webで商品やサービスを販売する多くの企業がアフィリエイト広告を用いていますが、アフィリエイト広告のメリットとは一体何なのか。
・CPA以内で獲得できて費用対効果が良い
アフィリエイト広告の広告主側にとっての圧倒的なメリットが費用対効果です。意図せずに多くのコストがかかってしまうことがまず有り得ません。完全成果報酬制のため、最初に設定したCPA以内で確実にCVが発生します。
ASPに登録するには月間固定費は発生しますので、もしCVがまったく発生しなかったら損にはなります。リスクは月間固定費の3~5万円分のみです。
・ASP経由で多くのサイトで露出できる
ASP上に魅力的だと思ってもらえる広告を登録していると、関連サイトを運営するアフィリエイターたちが自社商品の紹介をしてくれます。自社商品の露出場所を急増させることも可能です。
アフィリエイト広告のデメリット
一方でアフィリエイト広告において考えられるデメリットも紹介します。
・掲載の保証がない
ASPに登録しても、どのアフィリエイターもその広告を使ってくれなかったら一切露出されません。せっかく広告をつくって登録しても掲載の保証はありません。
・固定費だけ発生する可能性がある
費用対効果が良いというメリット部分で述べましたが、媒体側のASP登録には月額固定費がかかります。コンバージョンがまったくつかなかった場合は、固定費だけが発生しています。
・紹介のされ方次第ではブランドイメージ毀損に
上記2つは正直リスクではないです。アフィリエイト広告の最大のリスクはブランドイメージになるでしょう。1つ1つの露出面での見られ方・クリエイティブを考え抜いて世に出している会社が多いと思いますが、アフィリエイターの紹介のしかた次第では、ブランドイメージの毀損につながる場合もあるでしょう。承認制にして掲載してほしくないサイトでは停止することもできます。
アフィリエイト広告の市場規模
アフィリエイト市場規模は2006億円とされています(2016年度)。2015年時の1740億円の115.3%増しで市場規模が右肩上がりで伸びてきています。2020年度のアフィリエイト市場規模は3,500億円まで拡大と予測されています。
少し前はアフィリエイトって怪しいものみたいなイメージを持っている人も多かったですが、近年1つの広告形態としての注目度が高まりつつありますね。インターネット広告全体が伸びていますが、特に勢いのある広告形態です。
(矢野経済研究所が2016年に発表した調査データを参照)
アフィリエイト広告フォーマットの種類
アフィリエイト広告というとバナー広告が主にイメージされますが、実はディスプレイ広告のように広告フォーマットも複数あるのです。
ASPによって登録できる広告フォーマットは変わりますが、大手ASP『A8.net』の例だと下記になります。他も類似しています。
・バナー広告
正方形や長方形の画像形式の広告
・テキスト広告
テキスト文のみの広告
・商品リンク広告
特定の商品ページへの広告リンク
・メール広告
メルマガに掲載するようのテキスト広告です
・ランキング広告
楽天やAmazonの人気商品をランキング形式で表示できる風変わりな広告です。
アフィリエイトの広告は全て広告主が用意した広告を使うことになりますが、複数広告フォーマットが登録されている場合は、どのフォーマットを使うかは媒体主が自由に選べます!
アフィリエイトサイトの種類
ASPに登録されている媒体主(アフィリエイトサイト)はどのようなサイトが多いのか、広告出稿側からすると気になると思います。
大きくは広告収益で事業をまわす法人が運営する「法人サイト」と、個人のアフィリエイターやブロガーが運営する「個人サイト」に分かれます。
運用形態やサイト規模はあまり関係なく、自社商品を購入したいと思ってくれるユーザー層が訪れているサイトであるかどうかが重要です。
アフィリエイトASP提供会社のおすすめ
アフィリエイトASPを提供する会社は多くありますが、なかでもおすすめの会社を紹介します。下記あたりは知名度も高く定番なので、広告主も多く、自分に合う広告が見つかりやすいことも強みです。
・A8ネット
・バリューコマース
・アフィリエイトB
・リンクシェア
・JaNet
・アクセストレード
あとはAmazonや楽天のモール内で販売されている商品を紹介できる2つもおすすめです。
・楽天アフィリエイト
・アマゾン・アソシエイト・プログラム
アフィリエイト広告運用のコツ
アフィリエイト広告は最初の広告設定をしたら終わりではないのです。アフィリエイト広告を実際に運用していき、CPA以内での売上を増加させていくために必要なことは以下となります。
・掲載サイト数を増やす
・自社商品のコンバージョンが多く見込める優良サイトを見つける
・優良サイト上のより良い枠に掲載してもらう
大きくはこの3点の掛け合わせがアフィリエイト広告運用の成果となります。多くのASPで、特定の媒体主に対してアプローチできる機能があるので、特別キャンペーンの告知などと合わせて掲載強化をしてもらうことも可能です。元が取れる計算内で特別な手数料UPも視野に入れて良いと思います。
アフィリエイト広告まとめ
市場規模もどんどん増しているアフィリエイト広告の基本的な仕組みについてまとめました。完全成果報酬なので、CPA以内で効率良くコンバージョンを増加できるアフィリエイト広告を使いこなしていきましょう!