最近、急激に注目度が高まっているインフルエンサーマーケティングの仕組みや、期待できる効果についてまとめました。流行の背景となる最近の大枠の傾向についても触れています。
インフルエンサーマーケティング広告とは
特定セグメントのユーザーに強い影響力を持つインフルエンサーを企業が活用して、ユーザーの認知度や購買意欲を向上させるマーケティング手法です。企業は意図したターゲット層に、インフルエンサーを通して一次的にリーチすることができます。
従来のインターネット広告よりも、企業ブランド向上も見込めるマーケティング手法で中長期的なファンを獲得しやすいです。主にSNS上で行われることが一般的です。
インフルエンサーマーケティング広告の背景
インフルエンサーマーケティングは急激に注目度も実際の市場規模も伸びています。インフルエンサーマーケティング広告がここまで利用されるようになった主な理由は次の3点と言えるでしょう。
インフルエンサーマーケティング流行の背景・広告を嫌うユーザーが増えた
・SNSの普及により、個の影響力が高まった
・情報収集がマスメディア→口コミ重視
総じて、ユーザーの購買行動の変化と”個”の力が強くなった背景が強いと考えられます。また従来のディスプレイ広告などを意図的に非表示にするユーザーも増えており、益々インフルエンサーマーケティングが迎合されてきています。
インフルエンサーとは
特定のコミュニティにおいて強い影響を与える人物のことです。インフルエンサーは特定のターゲット層にリーチができるのみではなく、ターゲットにとって共感性の高いコンテンツを生みだすことに長けているので、質の良い「口コミ」がターゲット周辺で生み出されます。
数値はアメリカ基準となりますが、10万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーをメガインフルエンサー、2000人から10万人のフォロワーを持つインフルエンサーをマイクロインフルエンサーと呼んだしります。マイクロインフルエンサーの方が特定トピックに特化したファンが多いのでエンゲージメント率が高く、CVに繋がりやすいことが多いです。
インフルエンサーマーケティングの市場規模
インフルエンサーマーケティングの市場規模は、全世界で5億ドル規模にものぼるとされています。現状は発祥の地アメリカが多くを占めていますが、日本でも間違いなく伸びております。
実際にGoogleトレンドで調べても、検索回数自体の伸びにすごい勢いがあります。特に2017年半ばあたりから注目度が急上昇しはじめ、2018年も伸びは続いております。これから数十倍規模にまで拡大していくと推測されています。
インフルエンサーマーケティング:媒体別の効果
インフルエンサーマーケティングの効果は、主にコンバージョン獲得か認知度向上に分かれます。CPA設定ありきの他広告よりも、認知度向上に寄与しやすい傾向にあります。また媒体によって期待する効果は異なります。
Instagram:コンバージョンを獲得しやすい
Twitter:認知度向上させやすい
Facebook:インフルエンサーマーケティングに不向き
Youtube:使い方次第でコンバージョンUPも、認知度向上も可
媒体別のインフルエンサーマーケティングの特徴の違いの概要を解説します。
Instagram | インフルエンサーマーケティングの効果
InstagramはファンがつきやすいSNSで、インフルエンサーマーケティングともっとも相性が良いプラットフォームとされます。特にファッションや美容は効果が高いです。#ハッシュタグを有効に活用して、インフルエンサーの投稿が人気の投稿に掲載されることで、特定ニーズを満たすユーザーにリーチできます。検索クエリと同様の顕在層の刈り取りにも使えます。
また画像中心のSNSなので、言語を介さなくともコミュニケーションを取れることが特徴でもあります。海外のユーザーへもリーチしやすいことも大きなメリットです。
Twitter | インフルエンサーマーケティングの効果
TwitterはRT文化が強く、もっともリーチ力は強いです。Instgramほどターゲティングを明確には絞りにくいので、エンゲージメント率や最終的なコンバージョン率は下がります。
認知度向上の目的においては、もっとも強いパフォーマンスを発揮します。
Facebook | インフルエンサーマーケティングの効果
FacebookはTwitter、Instgramと並ぶ巨大SNSですが、インフルエンサーマーケティングで利用されることはほぼありません。理由としては下記2点により、影響力の高い発信者であっても多数の人へのリーチがしづらいことが挙げられます。
・友達以外の投稿を見られる設計ではない
・友達の数の上限が5000人
Youtube | インフルエンサーマーケティングの効果
Youtuberに実際に自社製品を使っている動画などを配信してもらうことになり、座組はInstagramなどと同じです。動画を用いて発信することで、ユーザーとより深いコミュニケーションを取りやすくなり、効果は絶大です。
但し現状ファンの層においてややターゲティング設計が難しい印象があります。あらゆる層がターゲットユーザーとなり売るジャンルは相性が良いでしょう。例えばメルカリが2016年から実施したYoutuberと提携したインフルエンサーマーケティングは良い事例です。
インフルエンサーマーケティングの進め方
インフルエンサーマーケティングで得られる効果を把握したところで、実際にどのように進めていくのか概要を説明します。
1. 「どういったユーザー層に、どのような影響を与えたいのか?」という目標設定
2. どれくらいの規模で認知向上を実現させたいのか
3. 活用するSNSを選択
4. 起用するインフルエンサーを選ぶ
5. リンク先のLP(ランディングページ)を製作する
6. #ハッシュタグなど含め投稿内容を決める
大きくはこのような流れになります。
またインフルエンサーマーケティングの進め方は「自社で直接探す」パターンか、
「キャスティング仲介会社を利用する」パターンとなります。諸々専用の取り決めが多いため、よほど詳しい人が社内にいない限り後者の方が一般的です。
インフルエンサーマーケティングの効果の測り方
インフルエンサーマーケティングは実際に1回投稿してもらったら終わりではありません。他のWeb広告同様にしっかりと継続的に効果を見ていく必要があります。
・インプレッション数(リーチ数)
・エンゲージメント数(いいねやコメントなどユーザーのポジティブな反応)
・検索エンジンでの検索数の変化
・自社アカウントのフォロワー数の増加
Webマーケティングの計測ツールで欠かすことができないGoogleアナリティクスの全機能を徹底解説した記事はこちら
インフルエンサーマーケティングの費用感
インフルエンサーマーケティングの費用は、リーチしたい規模や期間で大きく動きますが、Instgramでのインフルエンサー起用は100万円が1つの相場となるでしょう。発信者のフォロワーの数によって費用が変わることが一般的ですが、1投稿あたりの費用は1フォロワー2円〜5円くらいが多いです。
インフルエンサーマーケティングとステルスマーケティングの違い
今でもたまに同じものだと思い込んでいる人もいますが、インフルエンサーマーケティングはステルスマーケティングとは異なりますので、最後に解説します。
ステマ(ステルスマーケティング)は完全にネガティブな行為です。お金をもらってビジネスとして商品を紹介しているのに、ユーザーにはそのことは隠し本当に自身が良いと思っているとして発信します。つまり口コミの偽造でユーザーを騙している行為なのです。
一方で、インフルエンサーマーケティングは投稿に、必ず「PR」である旨をつけます。ユーザーは発信者が広告として発信していることを把握した状態で商品を見るのです。信頼が大事でブランドの毀損は避けなければならないので、インフルエンサーの方も自分が良いと信じているものを積極的に発信していく傾向にあります。
インフルエンサーマーケティング広告まとめ
近年、急激に注目度が高まっているインフルエンサーマーケティングの概要や、媒体別に期待できる効果をまとめました。目的によって起用するインフルエンサーや媒体から変わってくるので、しっかりと目的を定めた上で動き始めましょう。
Webマーケティング全体像を把握するための初心者向けの記事はこちらで解説しています。Webマーケティング導入編として良く見られている記事です。