Webマーケティング界では、”LPO"という言葉は頻繁に飛び交います。LPO="Landing Page Optimization”、つまりランディングページ最適化という意味です。ランディングページが指す意味をしっかりと解説しながら、LPOの本質的な意義・目的部分をまとめていきます。
実際に業務に落とし込むための手順や進め方も記載しています。
LPO(Landing Page Optimization)とは
LPOは、"Landing Page Optimization"の頭文字を取った表現で、ランディングページ最適化という意味です。
ランディングページの最適化とは、「流入ユーザーが最初に目にするランディングページを改善して、直帰率を減らしCVR(コンバージョン率)を向上させる施策のこと」であり、Webマーケティング全般において各施策のROIをあげるための非常に重要な概念です。
LP(ランディングページ)とは
まずはLP(ランディングページ)の意味をしっかりと理解する必要があります。実は現場で使われるランディングページの意味は一通りではなく、2つの意味合いがあることを把握しておきましょう。
LP(ランディングページ)とは:広義の意味
本当の広義の意味でのランディングページは、サイトへの流入ユーザーが1番最初に目にするページ全てを指します。訪問者が着地するページなので、ランディングページと呼ばれます。
この広義の意味のランディングページが本当の意味ではあるのですが、実際にWebマーケの現場で「LPを作って〜〜」という施策の話をするときは、次の意味に絞られることが多いです。
LP(ランディングページ)とは:狭義の意味
流入ページでコンバージョンを獲得することに特化させて、通常のサイトとは別立てで作成するLP(ランディングページ)もあります。1ページ完結型の縦長のWebページが多いです。サイト内にはそのページに辿り着く導線がなく、最初の着地専用のページとして独立したURLが割り当てられていることが多いです。
※CVの定義はサイトごとにバラバラです。申込、資料請求や友達登録など形態ごとに様々。
広告系の人が言うLPとは、こちらの広告のリンク先に設定する別立てLP製作のことを指すことが多いです。基本的にキーワード別に、そのニーズに応えるLPを製作することになります。
LPOの効果・目的
通常のLP(ランディングページ)は、総じて直帰率が50%以上と言われています。そのLPの直帰率を減少させ、CVRを高めることで、同じ流入ユーザー数の状態でもビジネス成果を大幅に伸ばすことができます。
流入ユーザーを新規獲得するのはかなりのコストがかかるので、LPOは非常にコストパフォーマンスの良い施策とされます。リスティングやSEOに投資したコストのリターンを格段に高くできます。
逆にリスティングやSEO対策を行うならば、LPOの考え方もマストで必要となります。
LPO施策:リスティング編
LPO施策でもっとも効率的に効果を上がやすいチャネルがリスティングです。リスティングとLPOはきっても切り離せません。
リスティングはクリック単価制の広告であり、クリックされる度に広告料金が発生します。故にCTR(クリック率)だけ高めても損をする可能性も高いのですが、CVRを高めることはCPAやROIを大幅に向上させます。ランディングページを最適化させることで同じクリック数(=同じ広告費用)で、より多くのCVを得られることになるのです。
CVRが上がるだけでなく、キーワードごとのLPを改善することでIMP(広告表示回数)向上やCPC(クリック単価)減少に繋げられます。というのもリスティングは、検索が起きる度に毎回、広告ランクが設定されそのランクの高さで表示順位が決まります。広告ランクを決める1つの指標に、「検索キーワードと広告文とLPの関連性」という指標もあるので、LPをより検索ユーザーのニーズを満たす内容に変えることで表示回数を増やすことができます。また、「検索キーワードと広告文とLPの関連性」が高いほど、クリック単価をより安くできます。
・(LPOにより)CVRが向上することで、CPAが改良される
・(LPOにより)LPと広告&キーワードの関連性が向上することで、IMP向上&CPC減少につながる
リスティングについての詳細記事はこちら
LPO施策:SEO編
SEOでもLPOは重要で、リスティングで解説した1つ目の観点はまったく同様です。LPOによりCVRを向上させることで、SEO経由の効果がより高くなります。
リンク先を設定できるリスティングと異なり、SEOはキーワード別に上位表示させるページを設定することができません。故にキーワードに対して、上位表示を取得できても意図しないページが最上位にきてしまう可能性もあります。検索エンジンは基本的に1回の検索結果に同ドメインはページは1つしか表示させません。
SEOのLPOでは、しっかりとどのページを、どのキーワードで上位表示させるのか全体像を定めた上で戦略的に実行していくことが大切です。しっかり全体設計を考えてから実行すれば各キーワードで意図したページを最上位表示できるようになります。
SEOについての詳細記事はこちら
LP(ランディングページ)の種類
では、直接CVにつなげる狭義のLPに関して、どのようなタイプのLPがあるのか解説していきます。検索キーワードの違い=ユーザーのニーズの違いなので、LPの種類はキーワードの種類によって変えることが多いです。
・自社商品の購入に直接繋がる顕在キーワード
ー他社との差別点を強化して、自社商品の特徴を1ページで表現しきります。そのページだけを見て購入に繋げれるくらいまで、詳細情報も盛り込んでおきましょう。
・特定商品の購入には直接繋がりにくい潜在キーワード
ーどのような商品があるのか、分かりやすく一覧表示をLPでみせましょう。そこから詳細ページに飛び購入につながることがベストです。
・購入に直接は繋がりにく超潜在キーワード
ーメルマガやLine@に登録させて潜在顧客をプールさせましょう。この層に特別なLPを設けるのかどうかは費用次第となりますね。
LPO(ランディングページ最適化)施策の手順
LPOとは?何かということや、LPOの効果/目的を把握したところで、実際にランディングページ最適化をどのように進めていけばよいか手順を解説していきます。
1.(企画段階)問題点を洗い出し、仮説を設定する
・どのユーザーに表示させたいか
ー「○○というキーワードを検索したユーザーは××を知りたがっている」という仮説
・どのような行動をさせたいか
ー何をコンバージョンと定義するのか設定する。全ユーザーが直接一発で最終申込につながる訳ではないので、メルマガの登録などスモールコンバージョンを設定することも重要です。自社との接点を持たせてから、時間をかけて購買に至らせることになります。
これらの点を加味して、まずは各LPO施策の目的と効果を洗い出して、どういったLPから作成を始めるのか決めていきましょう。
2.(構成段階)ワイヤーフレームを製作する
ランディングページ最適化において、どのユーザーに対してどのような動きをさせたいかが決まったら、その要求を満たすための構成作りに入ります。まずはワイヤーフレームを作り、ユーザーの動きの型をFixさせます。
3.(デザイン)ワイヤーフレームを製作する
ワイヤーフレームを基に実際のデザインに落とし込んでいきます。新規ユーザーが最初に目にするページとなり、そのサイトの印象付けともなるので、ブランドをしっかり表現するデザインが重要です。自社サイトのデザインにまるっきり合わせる必要はないですが、乖離させることは良くないです。自社ロゴもヘッターに入れることをおすすめします。
4.(実装)サイトに入れ込む
デザインをコーディングしたHTMLを自社サイトのサーバーに入れ込み、URLを付与します。これでページが完成したので、広告のリンク先などに設定していきましょう。
LPO(ランディングページ最適化)施策に必要な人材
LPO施策を1人では完結できない場合がほとんどです。下記のような人が関わることが多いです。
・Webディレクター
・デザイナー
・コーディングする人
・エンジニア
マーケティング観点を持ったWebディレクターが、自社サイト分析により問題意識を持ち、仮説を持ち手順の1.2.を進めます。デザイナーが3、エンジニアが4を進めていきます。コーディングは、デザイナーがコーディングまでできる方ならデザイナーが、そうじゃなければエンジニアが兼ねることがほとんどです。
LPO(ランディングページ最適化)のその他コツ
良いLPとは?何かというと、ターゲットユーザーや目的によって大きく異なってきますが、全般に共通してCVRが上がりやすいおすすめHowを紹介します。
・(基本的にSP版対策の)縦長形式のLP
・ファーストビューで何ができるサイトなのか理解できる
・CVボタンを固定フッターで設置
・CVボタンはボタン感を増させることでCTR向上
LPO(ランディングページ最適化)のまとめ
LPO(ランディングページ最適化)は、新規で自社サイトにきてくれたユーザーの直帰率を減らし、サイト全体のCVRを高める非常に重要な施策です。特にクリック単価制の広告とは切り離すことができず、LPOは広告運用の効果へ大きく影響を与えます。
ターゲットユーザーに対してどのような動きをしてほしいのか仮説を明確に持ち、LPO施策を動かしていきましょう。
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