ディスプレイ広告の基本!GDN/YDNについて徹底解説

投稿日:2018年7月1日 更新日:

ディスプレイ広告とは何のか体系的にまとめました。豊富なターゲティング機能と広告フォーマットを組み合わせることで、各社に応じた最適なアプローチが可能となります。

リスティングとの違いや、ディスプレイ広告にできることなど完全初心者向けな内容となっています。GDNやYDNを中心としてそれぞれ固有の特徴も記載しています。

リスティングについての詳細解説記事はこちらで

ディスプレイ広告とは?

ディスプレイ広告とは、webサイトやアプリ上の広告枠に対して表示することのできる広告です。主にはGoogleやYahoo!のサービスや提携サイトに表示され、媒体の網羅率は非常に高いです。

様々な配信手法で表示させる枠や人を選ぶことができるターゲティング機能と、用途に合わせて選択できる豊富な広告フォーマットにより、ユーザーへのアプローチ方法は多彩です。

ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

ディスプレイ広告もリスティング広告もGoogle/Yahooが主に提供していることもあり、並べて語られることがあります。ディスプレイ広告とリスティング広告の違いを解説します。

1.アプローチできるターゲットが違う

リスティング(検索連動型広告)は、検索キーワードに対して広告を出稿するので、意図した顕在層に対して出稿が可能です。クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)はリスティング広告の方が圧倒的に高いです。

一方でプッシュ型のディスプレイ広告は、より低いクリック単価(CPC)でより多くのユーザーへ様々な面からアプローチでき、ディスプレイ広告の方がリーチを広げやすいです。このようにターゲティング方法の違いにより、アプローチできる層が異なります。

2.広告の掲載場所が違う

1番わかりやすい違いが広告の掲載場所です。リスティングは上図のように検索エンジンの検索結果画面に表示され、ディスプレイ広告はWeb上のサイト内の広告枠に表示されます。

インターネット上にいるユーザーは、90%以上の時間をどこかのサイト内で過ごすので目に触れる機会はリスティングよりも広いです。ディスプレイ広告は認知部分でも活躍します。

3.広告のフォーマットが違う

リスティング広告は1つの広告フォーマットであるのに対し、ディスプレイ広告は用途ごとに様々な広告フォーマットが用意されています。イメージブランディングやクリック率(CTR)にも大きく関わってきます。どのようなフォーマットがあるかも当記事で詳細解説します。

リスティング広告の仕組みやメリットに関してまとめた詳細記事はこちら

ディスプレイ広告の媒体種類

ディスプレイ広告のサービスは、日本の2大アドネットワークであるGoogleと Yahoo! が提供しているサービスが主となります。GDNとYDNの両方で出稿するとより多くのユーザーの目に届けることができます。それぞれ異なる広告枠なのでGDN/YDN両方に出稿することも一般的です。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)

Googleディスプレイネットワークの略称で『GDN』と呼ばれます。Google関連のサイトやGoogleの提携サイトに広告を配信できるディスプレイ広告のネットワークです。

YouTubeやアメブロにも配信でき、また個人ブログページの広告枠も多いことが特徴です。

YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)

Yahoo!ディスプレイアドネットワークの略称で『YDN』と呼ばれます。Yahoo!関連のサイトやYahoo!の提携サイト内の広告枠に表示させることができます。

非常に大きなPV数を持つYahooニュース、Yahooメールなどにも配信でき、SP面のYahoo!インフィード広告も強みです。

DSP(Demand-Side Platform)

上記で紹介した通りGoogleとYahoo!が2大ネットワークですが、それとは別に「DSP(=Demand Side Platform)」という2010年頃から注目され始めた配信ネットワークがあります。

GoogleやYahoo!など媒体を問わずに最適な広告枠を選択できるようになり、費用対効果を合わせやすいです。媒体以外のサーバー(=第3者のサーバー)を通じて広告を配信しているので「第3者配信」とも呼ばれています。

ディスプレイ広告:費用の決定方法

ディスプレイ広告もリスティング同様にメインはCPC課金です。クリックされた時だけ費用が発生します。リスティング同様に上限クリック単価(入札単価)を設定しておきます。

実際に支払うクリック単価の決まり方は、自分の広告の1個下の掲載順位の広告主の品質スコアと入札単価の加重平均に基づいて算出されます。

ディスプレイ広告:平均クリック率

まずリスティング広告ではクリック率は非常に重要な指標で、広告の推定クリック率は品質ランクを決める最大要因ともなります。ディスプレイ広告でも同様な仕組みなのですが影響度合は少ないです。

ディスプレイ広告のクリック率は、顕在層にリーチするリスティングより低いのは当たり前で、100分の1くらいのクリック率でも普通です。ディスプレイ広告の表示回数は短時間でも際限なく伸びていくので、しっかりコントロールしましょう。

基準としては、ディスプレイ広告の場合は最低0.05%以上のクリック率を目指すようにしましょう。0.05%のクリック率を下回ると質の低い広告と媒体にみなされてしまう恐れがあります。

ディスプレイ広告:ターゲティング機能

ディスプレイ広告の醍醐味であるターゲティング機能は非常に多様な種類があります。GDN/YDNで使えるターゲティング機能は異なりますが、各機能は主に下記のいずれかになります。

・広告が表示されるサイトを絞る
・広告が表示されるユーザーを絞る

GDYとYDNでそれぞれで使えるターゲティング機能の紹介をしていきます。

GDNのターゲティング機能

GDNとYDNでは備え持つターゲティング機能が異なるので、それぞれのターゲティング機能を紹介していきます。各機能を組み合わすこともできるので、使い方次第で様々なアプローチが可能となります。

Googleデータベースが持つ、ユーザー属性(年齢/性別)やユーザー動向(検索KW/閲覧ページ)データを活用しているため高い精度での配信が可能です。

GDNターゲティング①:コンテンツターゲット

まずは「広告が表示されるサイトを絞る」系のターゲティングを3つ紹介します。「コンテンツターゲティング」で設定したキーワードと関連性の強いサイトに対して広告を配信する事ができます。

GDNターゲティング②:トピックターゲット

コンテンツターゲットがキーワード設定なのに対して、トピックターゲットはGoogleが用意しているトピック(カテゴリ)を選択します。「トピック」で設定したトピック(カテゴリ)と関連したコンテンツを配信しているサイトに広告を配信できます。

GDNターゲティング③:プレースメントターゲット

「プレースメント」で指定したURLのサイトに広告を配信することができます。つまり、特定のサイトにのみ出稿可能です。もちろんURLは複数選択可能です。

トピックでは自社商品に興味を持つ人が訪れていそうなトピックを選択し、Googleに広告の配信先を自動で選択してもらいますが、プレースメントでは広告の配信先をサイト単位で指定して完全に自分で配信先を選択することになります。

逆にURL指定で配信しないサイトを選択する「プレースメント除外」機能もあります。

GDNターゲティング④:デモグラフィックターゲティング

ここからは「広告が表示されるユーザーを絞る」系のターゲティングです。デモグラフィックターゲットは「ユーザー属性」によるターゲティングです。「ユーザーの年齢・性別・子供の有無」を使ってターゲティングすることができます。幅広いユーザーに対しての広告配信に向いています。

GDNターゲティング⑤:インタレストマッチ

厳密にはGDNのメニューにある訳ではないのですが、以下の3つが利用できます。下記の特徴に当てはまるユーザーのみに絞るターゲティングです。

・アフィニティカテゴリ
ユーザーのライフスタイルや趣味、好みを使ってターゲティングを行うことができます。
・カスタムアフィニティカテゴリ
自分で特定のカテゴリを作成することができます。
・購買意向の強いユーザー層
商品やサービスについて検索し、購買を検討しているユーザーに対してターゲティングを行うことができます。

GDNターゲティング⑥:類似ユーザー

「類似ユーザー」では、リマーケティングリストや自社の顧客メールリストと似ているユーザーに対して広告を配信することができます。類似の度合いについては、Googleの独自のロジックで判断される為、詳細なことは分かっていません。

GDNターゲティング⑦:リマーケティング

ディスプレイ広告のリマケと言われるものです。1度自社サイトを訪れたユーザーに対して広告出稿をします。1度自社サイトに訪れて何らかの理由で離脱した人であり、顕在層に限りなく近い可能性が高いです。実績はかなり良くなりやすいですが、広告なしでも購入予定だった人もいるはずなので実績判断は慎重に行う必要があります。

YDNのターゲティング機能

特徴としては、GDNよりもYDNの方がユーザー絞りを対象にしたターゲティングが多いです。

YDNターゲティング①:サイトカテゴリ

サイトカテゴリだけ、「広告が表示されるサイトを絞る」系のターゲティングです。特定のカテゴリーに属するサイト(広告掲載面)に広告を配信することが可能です。設定したカテゴリーに関連するサイトを閲覧しているインターネットユーザーにリアルタイムに訴求できる。

YDNターゲティング②:デモグラフィックターゲティング

ここからは「広告が表示されるユーザーを絞る」系広告です。GDNと同様のデモグラフィックターゲティングです。

YDNターゲティング③:インタレストカテゴリ

特定の興味・関心を持ったインターネットユーザーに対して広告を配信することができ、873種類のカテゴリーから設定が可能です。人( ユーザーの興味関心)への配信。

YDNターゲティング④:サーチターゲティング

Yahoo! JAPANの各種検索機能でユーザーが検索したキーワードを利用し、ターゲティングを行う機能。スポンサードサーチで運用しているキーワードを併用することで、特定の検索キーワードを検索したターゲット層へ重点的に訴求が可能。

YDNターゲティング⑤:サイトリターゲティング

⾃社サイトを訪問し、離脱してしまった「商品に関⼼が⾼い⾒込顧客」ユーザーに対して広告配信が可能です。⾃社サイト訪問ユーザーと⾏動が似たユーザーへの類似配信も可能です。GDNはリマーケティング、YDNはリターゲティングとなります。

ディスプレイ広告:広告フォーマット

GDNで用意されている広告フォーマットの種類を紹介します。広告フォーマットの種類はYDNもほぼ変わらないです。

テキスト広告

 テキスト(文字)のみを使った広告になります。推奨はされていません。

イメージ広告

バナー(画像)のみを使った広告で、ディスプレイ広告の中でもっとも一般的な広告フォーマット。バナーサイズは下記で解説しています。

レスポンシブ広告

レスポンシブ広告は、テキスト(文字)とバナー(画像)を組み合わせた広告になります。見出し文、本文、イメージ画像などのアセットを用意して、Googleの自動機能を使用することでテキスト枠、イメージ枠、ネイティブ枠に対して最もパフォーマンスの高い組み合わせを表示する新しい機能です。近年人気上昇中です!

動画広告

動画を使った広告です。Youtubeなどに配信できます。

動的(ダイナミック)広告

GoogleはMerchant Centerに登録された商品情報、もしくは管理画面にアップロードしたデータフィードの情報を元に、KWやユーザーごとに自動でバナーを生成し、最適化された動的バナーを表示します。ユーザーごとに表示されるバナー内容が変わるのです。

リマケと組み合わせることも多く、商品ページを閲覧離脱したあるユーザーに対し、その情報を基に「見ていた商品」と「関連するお勧めする商品」を用いて、その人向けに広告を配信します。

Gmail広告

Gmail上に広告を配信できます。

GDN・YDN:バナー広告のサイズ

イメージ広告で用いるバナーのサイズは複数あります。GDN・YDNそれぞれ設定できるバナーサイズは異なります。GDN・YDNのバナーサイズ一覧は下記です。大きく分けると5つの種類の型に分かれます。

・レクタングル...太い長方形
・スクエア...正方形
・バナー...横長
・スカイスクレイパー...縦長
・モバイル...横長_小

赤背景の部分が特に重要サイズで、最初はこのサイズだけ用意することで十分です。

重要サイズ:300×250・336×280※・468×60・728×90・160×600・320×50・320×100

※336×280だけはGDNで新たに追加され推奨されているサイズでYDNにはないです。

ディスプレイ広告:アカウント構成

ディスプレイ広告のアカウント構成もリスティングとほぼ同じです。

アカウント構成

・アカウント
  1サイトにつき1アカウントが一般的。
・キャンペーン
  予算管理・配信設定
・広告グループ
  ターゲティング設定・入札管理
・広告
  クリエイティブ

GoogleとYahoo!でアカウント内でのディスプレイ広告の位置付けが異なるので注意です。Googleは検索連動型広告もディスプレイ広告も同じ管理画面で管理され、予算も同じ合同です。一方、Yahoo!は検索連動型とディスプレイで管理画面も分かれ、予算もそれぞれ異なります。

GDNを使用する場合は、リスティングと同画面にて新規キャンペーンを作成する際に「ディスプレイネットワークのみ」を選択する事で、使用することができます。

ディスプレイ広告まとめ

GDN/YDNを中心にディスプレイ広告のメリットや機能についてまとめました。組み合わすことで非常に多くのアプローチを生み出せる広告です。リスティング広告について解説した記事はこちら

Webマーケティング全体像を把握するための初心者向けの記事はこちらで解説しています。Webマーケティング導入編として良く見られている記事です。

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