旅行業務取扱管理者試験に向けて、最適な勉強方法で進められれば、独学学習でも3ヶ月で合格することは全く夢ではありません。独学の勉強方法で重要となる要素が参考書/問題集などのテキスト選びとなります。
参考書と問題集に分けて、それぞれ僕が実際に触れてみて厳選したおすすめのテキストを紹介していきます。テキストは毎年更新されているので、基本的に最新版の2020年版テキストにて比較しております。
旅行業務取扱管理者試験の資格とは?という概要については、下記記事にまとめていますので、試験全体像把握のためご参照ください。
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[注意点]旅行業務取扱管理者試験のテキストの使い方
まず注意点として、テキストを何冊も行うことは厳禁です!主要な人気テキストであれば大体書いている重要事項は同じで、違いはどういう書き方の本が1番自分に合うのかだけです。自分を安心させるために何冊も行うのではなく、とにかく一冊の参考書の内容を完璧にマスターしましょう。
問題集も同様で、重要な出題形式や内容は半分以上重複しています。但し問題集の方は一冊を完璧(解説含め97%以上理解)にできたら、対応できるニッチな問題パターンを増やすために二冊目に進んでも良いですね。
最初の参考書と問題集選びは本当に重要です。やってみて自分に合わないなとすぐに気づけば、序盤で他のテキストに変更してしまうのはアリだと思います。
実際に旅行業取扱管理者試験に一発合格できた独学勉強方法の詳細はこちらの記事を参照ください。テキストの活用方法も詳しく解説しています。
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旅行業務取扱管理者試験のおすすめ参考書
まずはおすすめの参考書から紹介していきます!種類自体も結構な数ありますが、その中でも全体を網羅したおすすめ参考書はいくつかに絞られますので、厳選して紹介していきます。
個人的な1番のおすすめテキストを先に述べると、「①:スラスラ覚える 国内・総合旅行業務取扱管理者 一挙合格ゼミ」を主軸参考書とし、観光地分野のみ大原発行の「⑤:旅行業務取扱管理者 国内総合 対応テキストの[観光地理版]」を活用することがもっとも良い組み合わせだと考えています。
テキスト①:スラスラ覚える 国内・総合旅行業務取扱管理者 一挙合格ゼミ
発行者:トラベル&コンダクターカレッジ
ページ数:約500頁
価格:2700円(以降、記載料金は全て税抜です)
②のU-CANと並んで、人気参考書の2本柱ともなっています。
要所要所で重要部分を枠で囲んだり、デザイン的なまとめ方・構成が非常に分かりやすいです。イラストも適度に混ざり、文字が苦手な方でも読みやすくなる工夫が施されています。
内容もしっかりしており、もちろん必要重要項目は全て0から10まで網羅されています。各章ごとに実際の試験形式の問題がついており、各単元の出題形式のイメージもつきやすく、学習をより加速させられます。重要ワードや旅行業の概念そのものを把握しながら、問題形式慣れしていく進め方は非常に効率的で早いです。
また、②との共通点にもなりますが、どちらの冊子も冒頭で講師の紹介から始まり、各講師が教えている風な講義形式で進んでいきます。実際に進めてみると授業を受けてるみたいな感覚で頭に入りやすくなるので、このスタイルはなかなか良いです!案外ノイズにはならないです。
1点だけ難点もあります。第3章国内旅行実務・第4章海外旅行実務の中の大きなウエイトを占める。観光地分野だけ内容が薄いです。 各県、各国の観光地を羅列しているだけなので、観光地分野だけ他参考書と併用することをおすすめします。
テキスト②:2020年版 ユーキャンの旅行業務取扱管理者 速習レッスン[国内総合]
発行者:U-CAN
ページ数:約650頁
価格:2800円
①スラスラ覚える編と大枠は似ており、堅苦しくなく読みやすいです。各項目の要点が分かりやすいです。特徴は各ページの外側1/5ほどの枠が用語説明に使用されており、とても便利です。普通に専門用語をしれっと使ってくるテキストが多いなか、本書は前提知識もない業界外の人間にとっても易しい構成になっています。例えば、「過剰予約とは何か?」みたいな言葉の意義や、それがどういった状態を指すのかなどをしっかり解説してくれています。
650ページで①よりボリュームが多い理由は、基礎部分の説明がより丁寧ということにあります。この2冊の選択基準としては、より早く進めてより多くのパターンの問題に触れていきたいと思う人はスラスラ、一方最初の導入部分をより丁寧に理解して進めたいという方はU-CANを選ぶといった感じになります。
観光地領域に関しては、各観光地の説明と簡易的な地図付きなのでイメージがしやすいです。実際に出された問題の紹介もあり、暗記作業に入ってしまう前にゴールを明確にイメージしておけることは強いです。
テキスト③:旅行業務取扱管理者 総合・国内テキスト&問題集
発行者:JTBトラベル&ホテルカレッジ
ページ数:約680頁
価格:2800円
②U-CANと同じページ数ですが、紙質の問題かダントツに分厚いです。書いている内容自体は上述しているテキストと大差ないですが、まとめ方は大きく異なります。
枠やボックスなども少なく単調に文章が進んでいき、とにかく赤字が多いです、稀に1ページの中で半分くらい赤字みたいなとこもあります。JTBということで信頼のブランド力はあるが正直見にくい。
あとテキスト名に問題集と書いている割には、問題集要素は少ない、各パートの最後に少し入っているだけ。 参考書としては内容は充分不足ないですが、講義的進め方とは逆でかなり教科書的です。
テキスト④:この1冊で決める!!総合旅行業務取扱管理者 テキスト&問題集
①と一緒のトラベル&コンダクターカレッジが発行している旅行業資格テキストです。250ページほどしかなく内容的に不足している部分は多く、「この1冊で決める」のはさすがに難しいです。
JTBの参考書と同じく問題集要素は特にないです。視覚的には見やすいので、勉強嫌いという方は本書を導入編として始めてみて、他の本格的な参考書にうつってみるのは良いですね。
網羅はされていませんが概念的な話としてはうまくまとまっています。故に何か1冊別の参考書を完璧にした上で時間に余裕があり、もう1冊で内容を再確認したい時などには良いです。これを主なテキストにするのは厳しいです。
テキスト⑤:旅行業務取扱管理者 国内総合 対応テキスト
発行者:大原
ページ数:約200~250頁
価格:4冊に分かれ、各1500円
①観光地理
②旅行業法・約款
③国内旅行実務
④海外旅行実務
上記科目ごとに4冊に分かれ、各1500円です。1冊200〜250ページ(観光地理だけ300ページ)で持ち運びがしやすく利便性も良いです。全部買うと合計値段としては高い。
デザイン的なまとめ方は工夫なく、とにかくシンプルですが、説明文だけでも分かりやすく進められています。それぞれの事柄の関連や要因が分かりやすいです。
何より観光地理は全テキストの中でももっとも充実しております。各都市の重要な観光地・テストに出る文化やその他項目などをしっかり抑えて、イメージが湧くよう詳細の説明も入れつつ、分かりやすい地図もこまめに設置されております。これが何で必要なのか?という意図など、暗記するだけでなく理解させようとしてくれるテキストです。
スラスラ覚える編などをメイン参考書としつつ、観光地理分野だけ大原のテキストも購入して学習するというスタイルはわりと人気です。僕もこの方法で進めました。
テキスト⑥:やさしく学ぶ 総合旅行業務取扱管理者 改訂2版
発行者:トラベル&コンダクターカレッジ
ページ数:約350頁
価格:2600円
再び①と一緒のトラベル&コンダクターカレッジが発行しているテキストです。
かなり噛み砕き易しく説明されています。イラスト豊富で最初の概念の理解は非常にしやすく、読み物のようにスラッと読めちゃいます。真の勉強嫌いな人には良いですが、一冊の参考書としてはやや不足要素ありです。
特に観光部分は意味ないレベルに薄いです。国内旅行実務などの計算部分も説明薄すぎですね、 勉強嫌いな人用の導入編としての使い方ならokという感じです。
国内試験用専用のテキストも2400円であります。
テキスト⑦:国内・総合旅行業務取扱管理者ウラ技合格法
次はやや特殊なテキストです。今まで紹介した6冊のような基礎から旅行業試験の内容を解説するテキストではありません。タイトル名の通り、旅行業試験で点を取るためのノウハウスキルを記載した、全然本質的ではない本です。2017年版が最終発行でそこから新しいものは出ていませんが情報の面では問題ありません。
例えば、「"必要はない" ときたら、その選択文は×である可能性がほとんど。」みたいな。 当たり前っちゃ当たり前、だけど言語化して表現されると、改めて納得。
問題を見て法則で解けるものが増えれば、スピードも上がるからたしかに良いです。但し別にこのテキスト見なくてもしっかり自分で問題数をこなしていば、自分で分かり、行き着く内容が多いです。金銭面が許せば。面白い本だから熟読というよりは1度目を通してみることはおすすめです。
テキスト⑧:(国内試験用)一発合格!国内旅行業務取扱管理者試験テキスト&問題集 2019年版
発行所:株式会社ナツメ
ページ数:約300頁
価格:1550円
国内旅行業務取扱管理者試験しか受けない方でも、これまで紹介した総合用のテキストでも学習は進められます。しかし1/4は不要な箇所になるし、科目②のみ若干国内と総合で範囲が変わります。
国内しか受けないと決めている人にとって、国内専用テキストでは本書が1番おすすめです。①らくらくと同様に分かりやすいデザイン構成です。但し本書も地理分野が薄いので、大原の観光分野専門参考書と併用はおすすめです。
テキスト⑨:(国内試験用)国内旅行業務取扱管理者 合格教本
発行所:株式会社技術評論社
ページ数:約300頁
価格:1780円
国内試験専用のテキストをもう1冊紹介します。⑧と比較すると堅めで教科書的な構成です。内容はしっかり必要項目網羅されており、良い内容です。また地理部分も充実しています。
但し本書は2014年に出版されて以降、新しい版が出ておらず、ずっと2014年時点のままです。一部法改正などが起きている部分もありますのでおすすめはしません。他の本は毎年更新されています。
旅行業務取扱管理者試験のおすすめ問題集
次に、問題集も厳選して良テキストを挙げていきます。各人気参考書を出している機関が、関連する類似した問題集を出しているパターンが多いです。特徴別におすすめテキストを紹介していきます。
参考書代わりにもなるレベルの解説の充実さで、圧倒的に「ⅰ:U-CAN問題集」が個人的にはおすすめです。+α実戦形式の過去問数年分で十分な問題パターンを把握できると思います。
問題集ⅰ:2019年版 U-CANの旅行業務取扱管理者 総合 過去問題集
発行者:U-CAN
ページ数:約400頁
価格:2600円
見開きで左が問題、右が答えという構成で、1ページに問題は2問。 解説たっぷりで、参考書の延長として利用できます。解説内容も非常に分かりやすく、大前提も抜かさず説明してくれるので初心者でも分かりやすいです。
基本的には全て過去問を基に作られていますが、 過去問そのまま引用っていうよりは、少し改修されている問題が多いです。
U-CAN参考書は地理も充実しているのですが、問題集では地理だけが分かりにくい、、、穴埋めとなっているので暗記を行うツールとしてはバッチリですが、実際のテストの出題傾向は把握しづらいです。こちらも大原問題集の地理編だけ併用はおすすめです。
問題集ⅱ:旅行業務取扱管理者試験 総合テーマ別問題集
各章の出題パターンの攻略に重きを置いているので、傾向の話が多いです。冒頭で説明がされている各単元の特徴・対策方法は非常に分かりやすく見ものです。
問題部分だけで400ページあり、逆に解説は100ページほどで薄いです。ただ解説で理解させるテキストというよりは、とにかく最初に説明した傾向通りの問題を多く体験させて、傾向ごと体に覚えさせてくれるような問題集です。
回答解説部分は別冊となっており取り外して使えるのは便利ですね。これはある程度基礎は理解できた上達した人用の数をこなすための問題集です。参考書代わりとはなり得ないですね。
問題集ⅲ:旅行業務取扱管理者試験 標準トレーニング問題集[国内総合]
大原の参考書に対応した、大原の問題集です。参考書同様に科目ごとに4冊に分かれています。1冊が1000円で100ページほど。ひたすら問題があり量は多いです。解説は後ろにまとめてあり、各問題にチェックボックスもついており、学習のしやすさに工夫はされています。
時間に余裕があれば、安いので、ある程度力が固まった後に買ってみて、新しいニッチな問題パターンへの対応を増やしておくという使い方など良いですね。1科目に1冊全てを用いているほどなので地理編も充実しています。参考書同様、他のテキスト同様に地理編だけ併用して使う方法は良いです。
問題集ⅳ:(国内試験用)これで合格!国内旅行業務取扱管理者徹底攻略問題集
発行者:トラベル&コンダクターカレッジ
ページ数:約300頁
価格:1500円
問題集も参考書同様に、国内試験を受ける方でも総合用の問題集で対応できます。わざわざ余分なものを購入したくない方向けに、国内試験に特化した問題集は本書がおすすめです。
らくらく参考書などを発行しているトラベル&コンダクターが出しておるデザイン構成も見やすいです。見開きで左に問題、右に回答が書いており、各ページのポイントが記載しているので分かりやすい。
旅行業務取扱管理者試験のおすすめWEB動画講座
旅行業務取扱管理者試験では他の国家試験と比較してWEB動画講座のサービス数はまだかなり低いですが、資格学校TACによる旅行業試験のノウハウが動画にまとめられたオンスクはおすすめです。
オンスクは月額1000円未満というかなり手軽な価格から動画学習ができます。テキストメインで進めながらも、自分の読解だけでは分かりにくいところのみプロの口頭解説を聞くという使い方でも元を取れるコスパの良い学習サービスです。
ライトプラン:月額980円
スタンダードプラン:月額1480円
の2種類があります。違いは講義スライドや音声をダウンロードできることと、講義内のキーワード検索が可能となることです。ダウンロードするとオフラインでも学習できより利便性上がりますので、500円の差額ならスタンダードプランの方がおすすめではあります。
月額制なので好きなときすぐに辞められるというのは嬉しいですね。
2019年現在は国内旅行業務取扱管理者試験にしか対応しておりません。
厳選!旅行業務取扱管理者試験のおすすめ過去問
おすすめテキストとして最後に過去問も紹介します。試験対策として過去問は絶対に取り組む必要がありますが、過去問自体はインターネットとかで探せば無料で入手も可能です。但し解説はないので、2000~3000円の違いであれば個人的には過去問テキストを購入しても良いかなと思っています。
総合旅行業務取扱管理者 過去問題集 TAC
発行者:TAC
価格:2600円
過去問題集は問題内容はもちろん全て同様です。おすすめテキストはTACの過去問集で、もっともきれいにまとめっており解説も分かりやすく、全過去問集の中で確実に1番活用できるでしょう。直近5年分の過去問が収録されています。
正解以外の選択肢に対してもしっかり解説がついており、過去問を通じて学習理解を深められます。国内版の過去問5年分が収納されたTac過去問集もあり、2200円です。
旅行業務取扱管理者試験のおすすめテキストまとめ
参考書/問題集どちらも総合版に重きをおき解説しましたが、大体それぞれ同書式で国内版もあります。国内の学習も総合版テキストで進めても差し支えはなく一般的な方法でもありますが、国内盤に特化したおすすめテキストもいくつか紹介しました。
個人的には1冊メイン参考書+地理だけ補完がもっとも効率良く合格率が上がる方法と考えています。それぞれの特徴・用途を把握して、自身に合ったテキストを選んでいきましょう!
実際に旅行業取扱管理者試験に一発合格できた独学勉強方法の詳細はこちらの記事を参照ください。
【体験談】旅行業務取扱管理者に独学合格する勉強方法まとめ
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旅行業取扱管理者試験のルールや全体概要についてはこちらの記事を参照ください。
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