飛行機の荷物は、預け荷物と手荷物(機内持込)のどちらかに分かれます。手荷物で入りきらない荷物の時は預け荷物にするしかありません。手荷物の場合は入らなかったら預け荷物に変更すれば良いだけですが、預け荷物としてもNGな荷物の場合は空港で処分するなど大変なことになります。
預け荷物のルールを把握しておらず空港で困るケースがありますので、旅行会社で勤務していた経験を活かして預け荷物について徹底的に解説していきます。預け荷物で把握しなかればいけないことは、サイズ(重量と大きさ)とNGな荷物の種類のみです。
ここで詳細に解説する航空会社別のサイズと、NGな荷物さえ入れていなければ安心して預け荷物として扱えます。
飛行機のNG荷物の3つのパターン
預け荷物のサイズ規定は航空会社ごとに異なりますが、預け荷物にできない荷物の種類は基本的に全航空会社共通です。飛行機の荷物で気をつけなればいけないパターンは次の3パターンに分けられます。
①預け荷物NGだが、手荷物はOKなもの
②預け荷物OK・手荷物NGな荷物
③預け荷物NG、手荷物もNG
①の荷物は預け荷物のスーツケースなどに入れず、手荷物のカバンの中に移しておきましょう。①のケースは少なく、大体は②か③です。つまり預け荷物でNGなものは大体どのような方法でも飛行機に乗せることができないものです。
①②③のどれでもないものは預け入れでも手荷物でもokなものなので、自分の都合の良い方に入れましょう。液体/スプレー/ペットボトルの預け荷物に関しては質問が多いので、それらに関しては独立して解説しています。
①預け荷物NG・手荷物OKな荷物
このケースはレアですが、絶対に手荷物の方に入れなければいけないものがあります。普通の人が持つ可能性があるものは次の2種類です。主に貨物室での発火を抑えることが目的です。
・ライター・マッチ
ー ライターは機内持ち込み可能ですが、1人1本までと決められています。
・リチウム金属・リチウムイオン電池単体
ー 馴染みない名前ですが、モバイルバッテリーはリチウムを用いたものが多く該当します。
空港カウンターで預け荷物の中でNGなものが見つかるとキャリーケースを開けて探す必要がありかなり面倒です。もしくは後で見つかると勝手に処分されることもあります。実際にキャリーケースの中に入れて預けてしまったモバイルバッテリーが処分されていたというケースはあります。事前にしっかり確認しておきましょう。
あと禁止はされていないですが個人的には電子機器は手荷物に入れることをおすすめします。特に海外だと煩雑に荷物を扱われパソコンなどが故障してしまうこともあります。
②預け荷物OK・手荷物NGな荷物
①の逆で絶対に預け荷物に入れておく必要があるものです。手荷物NGなものは機内で武器となり得るものとスプレーです。主にハイジャック防止などの目的です。
・ナイフ、ハサミ、ゴルフクラブ、バットなど
・日用品・化粧品のスプレー類
これらは預け荷物の中に絶対に入れておきましょう。保安検査場で捨てなければいけなくなります。
飛行機の手荷物のサイズ制限や荷物ルールのより詳細はこちらの記事で
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③預け荷物NG・手荷物NGで完全に飛行機持込禁止な荷物
下記のものは飛行機に乗せることがそもそもできません。機内持ち込みはもちろんのこと、預け荷物としても不可なのでそもそも空港に持っていくことを辞めましょう。
・ガス、燃料、火薬、毒性・酸化性物質などの危険物
・アルコール度が70度を超えるお酒
・塩酸や漂白剤など
ー基本的に普通の人が持っていることはないです。海外の珍しいお土産として強いお酒を購入する人いるかもしれませんが特殊な申請ないと持ち出せないです。
・スプレーで0.5L又は0.5kgを超えるもの
ー化粧品や各種スプレーは多くの人が旅行に持っていくものだと思うので、0.5L又は0.5kg以下なら預け荷物に入れることが可能です。
飛行機の預け荷物:液体に関して
預け荷物の液体に関しては実は原則制限がありません。下記で説明する預け荷物の許容容量を満たして入れば液体自体はどれだけ入っていてもokです。機内持ち込み手荷物に液体を入れる場合は完全NGではないですが、細かい容量制限がありません。
基本的に液体の預け荷物への容量制限はないのですが、アルコール24%以上のお酒には制限があります。
1人あたり5Lまたは5kgまでのみ預けられる
アルコール度数が70%を超えるものは預入不可。
預け荷物に液体を入れる際に規制はないですが、こぼれないように細心の注意を払いましょう。液体の入った容器はビニール袋に入れたり、タオルで挟み衝撃を和らげたりした方が良いです。
飛行機の預け荷物:スプレーに関して
日用品や化粧品の中にあるスプレーは預け荷物でも厳しい制限があります。預け荷物でもスプレーに関しては下記を守る必要があります。
1容器あたり0.5Lまたは0.5kg以下である必要がある
1人あたり合計2Lまたは2kgまで預けられる
もちろんスポーツ用品のスプレーも同様の規定です。引火性ガス・毒性ガスが入っているスプレーは一切預入不可です。また液体と大きく異なる点として、機内持ち込み手荷物ではスプレー一切NGなので気をつけましょう。
飛行機の預け荷物:ペットボトルに関して
ペットボトルは禁止されていると思っている人が多いですが、預け荷物に入れる分には規制ありません。預け荷物にペットボトルは自由に入れられます。重くなりやすいので全体重量をオーバーしないかはしっかり確認しましょう。
機内への持ち込みは100ml(g)を超える容器に入っている液体物は禁止されているので、手荷物としてはペットボトルは禁止されています。
飛行機の預け荷物のサイズ(国内線):航空会社別
航空会社ごとに許容されている預け荷物のサイズは異なります。国内線と国際線で許容サイズが異なる航空会社が多いので、まずは国内線における飛行機の預け荷物のサイズを解説します。
普通の1週間未満の旅行で日本人が使うレベルの大きさならほぼ追加料金なしで無料範囲で収まります。
各航空会社で手荷物サイズの制限もありますが、手荷物サイズの方が各航空会社による違い少なく分かりやすいです。
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飛行機の預け荷物のサイズ(国内線):JAL
まずは国内のメインの2大航空会社JAL/ANAから解説します。
▼無料で預け入れ可能なサイズ
・合計20kgまで可能で、個数制限なし。
・1つの荷物につき、幅・高さ・奥行きが50cm × 60cm × 120cm 以内。
▼超過手荷物料金を支払った時のサイズ
・1個あたりの重量は32kg、合計100kgまで可能で個数制限はなし。
20kg超えた分の重量超過分に対して1kgあたり200円〜400円 (区間によって変動あり)の超過手数料を支払うことになります。
飛行機の預け荷物のサイズ(国内線):ANA
ANAはJALと3辺の扱い方が変わります。ANAの方はどんな形でもOKということです。
▼無料で預け入れ可能なサイズ
・合計20kgまで可能で、個数制限なし。
・1つの荷物につき、幅・高さ・奥行きの3辺の総和が203cm以内。
▼超過手荷物料金を支払った時のサイズ
・合計100kgまで可能で、個数制限はなし。20kg
超の場合は、20kgを超えた重量に合わせて下記の料金を支払います。
超過重量 追加料金
1~10kg 2,500円
11~20kg 3,500円
21~30kg 4,500円
以降10kg毎 +1,000円
※全国一律ですが、離島など一部路線のみ1000円ずつ安くなります
飛行機の預け荷物のサイズ(国内線):ピーチ
ピーチやバニラエアなどを含むLCCは基本的に、荷物を預ける場合は必ず「受託手荷物料金」を支払う必要があります。
下記の条件に当てはまり預け荷物が5個以内だと1600円で預け入れ可能
・合計重量が20kg
・3辺の和が203cmまで。
重量が20kg超~32kgは託手荷物料金に加えて 、超過手荷物料金がかかります。インターネットで事前に申込む方が、カウンターで当日申込むより安いので、事前に預け荷物があるという申請をしましょう。
飛行機の預け荷物のサイズ(国内線):バニラエア
コミコミバニラプランの航空券の場合は、特別に20kgまでは1つ無料で預けることができます。個数制限はありません。21kg~100kgを超える場合は、5kgごとに加算されます。
通常プランの場合は有料で20kgまでが可能になります。路線ごとに2000/3000/4000円と預入料金が発生するので荷物を預けるならコミコミプランの方がお得です。21kg以降は通常もコミコミも同様に5kgごとに料金加算。
飛行機の預け荷物のサイズ(国内線):ジェットスター
ジェットスターの預け荷物はすべて有料となります。
・1個当たりの最大重量は32kg
・合計40kgまで可能で、個数制限はなし
重量枠は15kg~40kgまであり、5kg単位で預入料金が増加する仕組みなので、5kg単位で預け荷物枠を購入することになります。
飛行機の預け荷物のサイズ:国際線
海外旅行の場合でも普通の1週間未満の旅行で日本人が使うレベルの大きさならほぼ無料範囲で行けます。留学など中長期期間の渡航の場合は超過料金を払う必要があるかもしれませんのでより要チェックです。
飛行機の預け荷物のサイズ(国際線):JAL
国内線の規定は各辺のサイズが規定されておりましたが、国際線ではANAのパターンと一緒で3辺の総和が基準となります。
・3辺の総和:203cm以内
・個数:2個
・1個当たりの重量:23㎏/個
飛行機の預け荷物のサイズ(国際線):ANA
国内線と比較して、許容サイズは大きく広がります。3辺の総和は変わらずで、許容重量が大きく変わります。
・3辺の総和:203cm以内
・個数:制限なし
・1個当たりの重量:32㎏/個
・合計重量:100kg
飛行機の預け荷物のサイズ(国際線):LCC全般
バニラエアなどのLCCは国際線も国内線の預け荷物サイズのルールと同様です。
ピーチに関してのみ、規定ルールは全く一緒なのですが料金だけ大きく変わります。国内線だと1600円で預け荷物が可能なるところが、1900円/3200円/6400円(路線別変動)と大幅に料金は高くなります。
預け荷物のメリット/デメリット
サイズと禁止荷物種類の両方の規定を満たしたとして、荷物を預け荷物にするのか、手荷物にするのかどちらが良いかの判断をするための参考として、最後に預け荷物のメリット/デメリットを紹介します。
預け荷物のメリット
・搭乗までの空港内での移動が楽
ー特に空港が広くて移動距離が長い場合や、空港レストランなどに立ち寄る場合
・満席の機内でも気が楽
預け荷物のデメリット
・空港カウンターで手続きをする必要がある
・到着空港で荷物が出てくるのを待つ必要がある
・ロストパッケージや損傷の恐れがある
結論としては、個人的には機内持ち込み手荷物だけで済むなら、荷物を預ける必要は基本的にないと思っています。
飛行機の預け荷物のまとめ
飛行機の預け荷物のルールは大きく2ポイントあります。
航空会社別のサイズ制限
禁止荷物の種類
これらのルールをしっかり把握して、当日の空港で慌てなくて良いように預ける荷物、機内に持ち込む荷物を見分けましょう。
預け荷物がある場合も荷物の種類に応じて最適な方に入れないと空港でバタバタすることになるので荷物ルールの最低限の把握をしておき、飛行機を快適に乗りましょう。飛行機荷物全般ルールはこちらに記載しています。
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