旅の始まりに乗る飛行機の快適さはその旅の満足度に関わる重要なポイントの1つ。同じクラスの飛行機であっても、座席の位置によってその快適さは異なります。特に長時間のフライトであればあるほど、できるだけ快適な座席で過ごしたいという気持ちも大きくなるのではないでしょうか。
今回は、飛行機の座席でお勧めの位置を、それぞれの座席のメリット・デメリットを比較しながらご紹介します。
飛行機の座席比較ポイント①:窓側OR通路側
まず飛行機の座席で考えるべき大きなポイントとして、窓側か通路側かということがあります。それぞれのメリット、デメリットをみていきましょう。また、機体によっては、座席の配置が「2-3-2」や「3-3-3」の飛行機もあります。3人席の真ん中のメリット、デメリットも一緒に確認してみましょう。
窓側の座席のメリット
・隣の人が席を立つときにいちいち席を立たずに済む。
・窓から空の景色を眺めることができる。
・壁にもたれることができる→寝やすい。
・自分だけの空間を作ることができる→寝やすい、作業に集中しやすい。
窓側の席の大きな利点は、窓からの景色を眺めることができること、そして一番端の席であるので他の人をあまり気にせずに済むということ。ただし、国際線の場合、景色を楽しむことができるのは離陸・着陸時がメイン。上空にあがってしまうと雲の中に入ってしまったり、多くの時間窓を閉めているので、思ったより景色は楽しめないということもあります。また、同じ窓側でも翼の真横に位置する座席ですと景色があまり見られない場合もあります。
窓側の座席のデメリット
・トイレに行く際などに、隣の人にどいてもらわなければならない。隣の人が寝ている時は特に不便。
・通路側と比べると寒く感じる場合がある。
・座席上の荷物収納棚から荷物をすぐに取り出せない。→飛行機から降りる際に通路側の人を待つ必要がある。
エコノミークラスでは座席のスペースが写真のようにかなり狭いことが多いので、離席時には隣の人に移動してもらう必要がどうしてもでてきてしまいます。
通路側の座席のメリット
・離席・着席時に楽。声をかけたり、人にどいてもらう必要が無い。
・座席上の荷物収納棚から荷物を出し入れしやすい。
・窓側と比べると少し広めの空間を確保できる。足下にも若干余裕ができる。
・客室乗務員に用があるときに話しやすい。
通路側のメリットとして一番大きいのは、他の人を気にせず自由に離席できるということ。特に長時間フライトでは、トイレに行く回数も増えますのでこの点は重要になってきます。
通路側の座席のデメリット
・隣の人がトイレに行く際にいちいち話しかけられる、どかなければならない。寝ている時に起こされると睡眠が中断されてしまう。
・通路側を人が通るので、人の気配を感じて眠りにくい場合がある。集中できない。落ち着かない。
両側が座席の場合のメリット
・横を人が通らない。
・両端の席よりもシート幅がやや広い場合がある。(機体によります。)
・空いている場合、両側がいない可能性有り。ゆったりと座席を利用できる。
両側が座席の場合のデメリット
・トイレに行く際など離席時に通路側の人にどいてもらう必要がある。
・座席上の荷物収納棚から荷物を取り出す際には、通路側の人を待たなければならない。
・両隣に人がいるので閉塞感がある。
窓側、通路側はフライト時間に応じて決めるべし
上記のメリット・デメリットを踏まえると以下の座席がおすすめです。フライトの時間に応じて、座席を選べるとよいですね。
国内線、3時間未満の短時間フライトの国際線の場合→窓側の座席
長時間フライトの国際線の場合→通路側の座席
飛行機の座席比較ポイント②:前方OR後方
窓側か通路側に続き、重要なポイントが前方の座席か後方の座席かということ。以下、メリット、デメリットをそれぞれ確認していきましょう。
前方の座席のメリット
・飛行機を降りる際に早めに降りることができる。→入国審査がある場合は早めに並ぶことができるので時間短縮になる。ただし、国内線で荷物を預けている場合やツアーで空港を出た後グループで行動する場合には関係ない。
・エンジン音があまり聞こえないため、後方の座席よりも比較的静か。
・後方の座席と比べると比較的揺れが少ない。
前方の座席のデメリット
・後方の座席よりも値段が高い場合がある。(機体により異なるがANA「プレミアムクラス」、JALの「ファーストクラス」、「クラスJ」等の座席は前方の座席だが通常の座席よりもクラスが上の扱いで、料金もその分高い。)
後方の座席のメリット
・翼の後ろにあるため、翼が邪魔にならず景色を楽しむことができる。
・一番後ろの席であれば後ろの人を気にせずリクライニングし放題。
後方の座席のデメリット
・飛行機を降りる際に時間がかかってしまう→入国審査がある場合には入国審査の列に並ぶのが遅くなってしまうので空港を出るまで時間を要する。
・前方の座席と比べて比較的エンジン音がうるさい。
前方の席の方が搭乗の際も降りる際も時間がかからずスムーズ
前方の座席の一番のメリットは、前の人が進むのを待つ必要が無いため搭乗の際にも降りる際にも比較的スムーズであるということ。特に国際線で飛行機を降りた後に入国審査がある場合には、入国審査の列に早く並ぶことができるので便利です。後方の座席の場合は前方の座席よりも人気が無く空いていることも多いので、隣に人がおらずゆったりと座ることができる可能性があります。
注意する座席
以下、飛行機の座席の中で注意すべきポイントがある座席を2つ確認します。
お手洗いが近い席
長時間のフライトになればなるほど、お手洗いを利用する人が増えるため常に人が行き来している可能性があります。また、機内食や飲み物を準備する場所の近くで、客室乗務員が作業をしているため、音が聞こえて気になる、ということもあるかもしれません。ただ、上述の通り一番後ろの席であれば後ろの人を気にせずにリクライニングできるという点はポイントの1つですね。
非常口の近くの席
非常口近くの席は前に座席がないため、他の座席と比べても足下にかなり余裕があり快適で人気の高い席。ただし、この座席に座るにはいくつかの条件があります。大きな条件としては、緊急時の避難を手伝うことができること。非常口からの脱出手順や客室乗務員の指示を理解し、他の乗客へも口頭で伝えなければなりません。そのため、英語力が求められます。また、満15歳以上でなければならないため、お子様連れの方は座ることができません。
希望の座席は早めに指定を
日本の大手航空会社では基本的に座席指定無料
JALやANAといった日本の大手航空会社では基本的に、飛行機を予約する際に座席の指定をすることができます。人気の座席はすぐに埋まってしまいますので、お早めに。希望の座席が埋まってしまっている場合もひとまず座席を指定しておきましょう。出発日近くになると空席ができたりするので、こまめにチェックしておき、座席の再指定をするのも1つの手です。
ANAの国際線エコノミークラス事前座席指定の有料化について
基本的には座席指定が無料であるANAでも国際線エコノミークラスの一部運賃では、人気の座席(前方窓側・通路側・非常口近くの座席)を指定する場合には有料となっています。路線・区間・座席のタイプによって値段は異なりますが、例えば日本ー欧州・北米・オセアニア間の飛行機の場合、非常口近くの座席であれば+5,500円、前方の窓側・通路側の座席であれば+2,500円の追加料金がかかります。
参照:国際線エコノミークラス 事前座席指定の一部有料化について
LCCや海外の航空会社の場合は座席指定が有料の場合もあり
尚、格安航空LCCの飛行機は基本的に座席指定ができない、もしくはできる場合でも有料となっています。その他海外の航空会社でも、アメリカの航空会社では前方の座席を指定する場合は有料、後方の座席の指定であれば無料というパターンや、ヨーロッパの航空会社では予約時の座席指定は有料ですが、オンラインチェックイン開始後の座席指定は無料というパターンなどもあります。
飛行機の座席に関する豆知識:I席がない理由、窓側AK席、通路側CH席
ANAによると、「I(アイ)席」がないのは、数字の1と見間違えないようにするためとのこと。また、窓側がA・K席、通路側がC・H席と決められているのは、アルファベットと窓側・通路側の関係性が決まっていることによってスムーズな対応ができるからという理由であるそうです。
飛行機の座席に関するまとめ
飛行機の座席、それぞれのメリット・デメリット、飛行機の座席指定に関する情報をご紹介しました。長いフライトに乗る場合、長時間同じ席に座ることになりますので席が快適ではないとストレスが溜まってしまいます。それぞれの座席のメリット・デメリットをふまえて自分にとって最良の席を選んでくださいね。