飛行機をよく利用する人なら耳にしたことのある「マイル」。うまく利用してお得に飛行機を利用している人もいれば、「マイルってなに?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、使い方を知ればもっとお得に旅行ができる「マイル」について、概要や貯め方・使い方、おすすめのマイレージカードを紹介していきます。飛行機をよく利用する人も、これから利用しようかなと考えている人も、次のフライトを予約する前に一旦チェックしてみてください!
マイル・マイレージとは
飛行機のマイルについてみて行く前に、マイル・マイレージという言葉について解説します。似ているように感じるこれらの言葉ですが、意味にはしっかり違いがあるのです。
「マイル」というのは、各航空会社のポイントプログラムの中で貯めることができる「ポイント」のことを指す言葉です。そのため、例えば自分がいま何ポイント持っているかを表す際に、〇〇マイルというように使うことが可能です。
それに対して「マイレージ」というのは、各航空会社のポイントプログラムそのものを指す言葉です。このポイントプログラムは別名、マイレージプログラムとも言われています。
簡単にまとめると、マイレージプログラムの中で、貯められるポイントがマイルなのです。
マイルの概要
マイルとはなんなのか、どのようにして貯めることができたり、何に使えるのかについて、その概要を簡単に解説します。記事後半では各項目ごとに詳しい説明もあるので、気になった部分はさらに詳しく読んでみてください!
マイルとは、飛行機に乗ったり、日常生活の中の買い物で貯めることができるポイントで、このポイントは飛行機に乗る際に使うことができます。
マイルを使って飛行機に乗る際には、自分の持っているポイントに応じて無料で飛行機に乗ることができたり、自分の予約したクラスをアップグレードしたり(例えば、エコノミークラスからビジネスクラスや、ファーストクラスへのアップグレードなど)ができます。
飛行機に乗ること以外でも貯めることができて、飛行機に乗る際に使えるマイルは貯めておくとお得に旅行ができそうですね!
マイルの由来
「マイル」という言葉が持つ本来の意味は「距離」という意味で、1マイルは1.60934kmです。距離という意味を持つマイルという言葉がポイントをあわらすようになったのは、飛行機に乗った距離に応じて、マイルが貯まっていったことがはじまりです。
マイルの貯め方
ここからはマイルの貯め方について、手順を各ステップごとに分けて、詳しく解説していきます。
STEP①マイレージプログラムを決める
マイルを貯めるにはまず、自分が利用するマイレージプログラムを決める必要があります。どのマイレージプログラムでマイルを貯めるのかによって、今後どのくらいマイルを貯めることができるのかが変わってくるので、最初ですが重要なステップです。
マイルを貯めるならやはり、自分がよく利用する航空会社を選ぶのがおすすめです。よく利用する航空会社なら、マイルもどんどんたまっていきますよね!
また普段使う航空会社が固定でない場合には、アライアンスで選ぶというのも一つの方法です。アライアンスとは、複数の航空会社でラウンジやマイレージサービスの共有を行うグループのことです。マイレージプログラムを決める際にはぜひ、同じグループ内の航空会社の顔ぶれをチェックしてみてください。
STEP②マイレージプログラムに入会し、マイレージカードを入手する
自分が利用したいマイレージプログラムを決定したら、マイレージプログラムに加入します。入会金・年会費は無料で、各航空会社のマイレージプログラムに参加すると、マイレージカード(マイルカード)を手に入れることができ、これでマイルを貯めていくのです。
最近では、実際のカードではなく、デジタルの会員証を利用している人も増えてきたため、カードを持ち歩くのが不便という方はデジタル会員になるのもおすすめです。
STEP③マイルを貯める
ここから実際にマイルを貯めることができるようになるのですが、マイルを貯める方法は大きく分けて二つあります。
飛行機に乗ってマイルを貯める
提携しているクレジットカードで貯める
【飛行機に乗ってマイルを貯める場合】
獲得できるマイルは【飛行距離】×【積算率】で決まります。米系の航空会社では航空券のチケット料金によってマイルがたまる制度もありますが、上記の方法で決まるのが一般的です。
また、JAL・ANAのマイレージプログラムを利用していて、JAL・ANA以外のフライトを利用した場合でも、JAL・ANAのマイルがたまる場合もあります。国際線の場合には、JALであれば「ワンワールドアライアンス」、ANAであれば「スターアライアンス」という航空連合の各加盟別に、マイルを加算することができるのです。
万が一、搭乗後にマイレージ会員になった場合には、JAL・ANA両社とも登場から6ヶ月以内にマイルの事後登録をすればマイルを獲得することができます。eチケットの控えや搭乗券の原本が必要となる場合があるので、マイレージの登録が完了するまでそれらの書類は保管しておくように注意してください。
【クレジットカードでマイルを貯める場合】
提携しているクレジットカードで買い物の支払いをするだけです。通常のショッピングでの利用でも、「100円で1マイル」がたまる効率の良いクレジットカードもあり、お得です。
またポイントサイトを利用してマイルを貯めることもできます。還元率は50%などに落ちる場合もありますが、相性の良いポイントサイトならそのままマイルに変換することもできるので、ポイントサイトもチェックしてみると良いでしょう。
飛行機マイルの計算方法
マイルの計算方法は以下の通りです。
フライトマイル = 区間基本マイル × マイル積算率
区間基本マイルとは、毎年秋にIATA(国際航空運送協会)により発行される、TPM(運賃計算に使用する区間距離)が基準にされており、JALでもANAでも同じです。マイル積算率は、利用運賃に比例して設定されていますが、各航空会社によって異なる場合があります。
基本的に積算率は、国内線では運賃種別ごと、国際線では予約クラスごとに決まっているので、国内線・国際線の各フライトマイルは以下の計算式で表されます。
【国内線フライトマイル】= 搭乗区間の基本マイレージ × 運賃種別ごとの積算率
【国際線フライトマイル】= 搭乗区間の基本マイレージ × 予約クラスごとの積算率
【ANA国内線】
積算率 | 対象運賃 |
50% | ・個人包括旅行割引運賃 ・包括旅行DP割引運賃 ・訪日包括旅行DP割引運賃 ・DP限定旅行用特割運賃(包括旅行MDP割引) ・スマートU25 ・スマートシニア空割 ・ANA SUPER VALUE SALEなど |
75% | ・ANA VALUE 1,3 ・ANA SUPER VALUE 21, 28, 45, 55, 75 ・ANA VALUE TRANSIT, 7, 28 ・ANA SUPER VALUE EARLY ・株主優待割引運賃 ・小児株主優待割引運賃 ・いっしょにマイル割(同行者) ・ANA SUPER VALUE 75 & JR きっぷなど |
100% | ・ANA FLEX ・ビジネスリピート ・小児運賃 ・障がい者割引運賃 ・介護割引 ・ANA VALUE (Child)/ANA SUPER VALUE(Child) ・ANA SUPER VALUE EARLY(Child) ・各種アイきっぷ ・プレミアム個人包括旅行割引運賃 ・@Bizなど |
125% | ・ANA VALUE PREMIUM 3, 28 ・プレミアム株主優待割引運賃 ・プレミアム小児株主優待割引運賃 |
150% | ・プレミアム運賃 ・プレミアム小児運賃 ・プレミアム障がい者割引運賃 ・ANA VALUE PREMIUM(Child)/ANA SUPER VALUE PREMIUM(Child) ・プレミアム@Biz ・プレミアムビジネスきっぷ |
【ANA国際線】
ビジネスクラス:70/125/150%
エコノミークラス:70/100%
【JAL国内線】
運賃カテゴリー | 該当運賃 |
運賃1(100%) | 大人普通運賃、小児普通運賃、往復割引、身体障がい者割引、介護帰省割引、JALビジネスきっぷ、eビジネス、離島割引、国際線航空券に含まれる日本国内区間など |
運賃2(100%) | 特別乗継割引 |
運賃3(75%) | 先得割引、スーパー先得、ウルトラ先得、乗継割引28 |
運賃4(75%) | 特便割引1、特便割引3、特便割引7、特便割引21、特別往復割引、株主割引 |
運賃5(75%) | 乗継割引7 |
運賃6(75%) | 当日シルバー割引、おともdeマイル割引、スカイメイト |
運賃7(50%) | パッケージツアーに適用される個人包括旅行運賃など |
【JAL国際線】
ビジネスクラス運賃1:125%
ビジネスクラス運賃2:70%
エコノミークラス運賃1:100%
エコノミークラス運賃2:70%
エコノミークラス運賃3:50%
エコノミークラス運賃4:50%
エコノミークラス運賃5:30%
搭乗区間の基本マイレージはこちらからチェックしてみてください。
ANA国内線
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/tameru/flightmile/dom/chart.html
ANA国際線
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/tameru/flightmile/int/chart.html
JAL国内線
https://www.jal.co.jp/jmb/earn/travel/flight/jal6.html
JAL国際線
https://www.jal.co.jp/jmb/earn/travel/flight/jal5.html
マイルの使い方
飛行機の利用や買い物で貯めたマイルの使い方について、解説します。基本的なマイルの使い方は、以下の3つです。
国内線の特典航空券と交換する
国際線の特典航空券と交換する
特典航空券以外への交換
マイルには有効期限があり、JALやANAの場合は36ヶ月間と定められているので、貯めている最中の方はマイルを使う前に、自分の貯めたマイルの有効期限を確認してくださいね!
マイルの使い方:ANA
ANAでのマイルの使い方について、国内線と国際線に分けて解説していきます。
【国内線】
1区間(片道)5,000マイルから利用可能です(プレミアムクラスは除く)。以下のように3つのシーズンごとにマイルが使える区間が定められています(以下で表示しているのは、全て2020年の日程です)。
ローシーズン:1/6~2/29、4/1~4/23、12/1~12/24
レギュラーシーズン:3/1~3/12、5/11~8/6、8/24~11/30
ハイシーズン:1/1~1/5、3/13~3/31、4/24~5/10、8/7~8/23、12/25~12/31
レギュラーシーズンの場合は下記区間となります。表示されているマイル数は片道分です。
東京 ⇔ 秋田、庄内、仙台、新潟、八丈島、富山、小松、能登、名古屋、大阪:6,000
大阪 ⇔ 萩・石見、松山、高知、福岡、大分、熊本、宮崎:6,000
東京 ⇔ 福岡:7,500
東京 ⇔ 沖縄:9,000
東京 ⇔ 石垣:10,000
【国際線】
往復12,000マイルより利用可能ですが、片道での利用は不可です。
シーズンは3つに分かれており、それぞれローシーズン(L)・レギュラーシーズン(R)・ハイシーズン(H)と表記されています。
利用クラスはエコノミークラス(Y)・プレミアムエコノミークラス(PY)・ビジネスクラス(C)・ファーストクラス(F)の4つに分かれています。
参考として、レギュラーシーズンのエコノミーの場合の料金を以下に記載します。
日本(Zone 1)⇔ 韓国(Zone 2):150,00マイル
日本(Zone 1)⇔ アジア1(Zone 3):20,000マイル
日本(Zone 1)⇔ アジア2(Zone 4):35,000マイル
日本(Zone 1)⇔ ハワイ(Zone 5):40,000マイル
日本(Zone 1)⇔ 北米(Zone 6):50,000マイル
日本(Zone 1)⇔ 欧州(Zone 7):55,000マイル
日本(Zone 1)⇔ オセアニア(Zone 10):45,000マイル
マイルは日本発着の便のみではなく、海外から海外へのフライトでの利用も可能です。
マイルの使い方:JAL
ANA同様に、JALでのマイルの使い方について、国内線と国際線に分けて解説していきます。
【国内線】
片道(1区間)で利用する場合には、通常期6,000マイル、ディスカウントマイル期5,000マイルから交換することができます。ディスカウントマイル期のマイル数は、搭乗日が以下の期間に該当する場合に適応されます。
ディスカウントマイル期
除外日:2019年4月26日(金)〜2019年5月6日(月)
期間2:2019年12月1日(日)〜2020年2月29日(土)
除外日:2019年12月21日(土)〜2020年1月5日(日)
また、マイルで交換できるフライトの対象クラスは、「普通席」と「クラス J」の2種類です。クラスJを利用する場合には、普通席特典航空券で必要なマイル数に2,000マイル(1区間1名につき)を追加したマイル数が必要です。
各区間と区間ごとに必要なマイル数は以下の通りです。
A区間(6,000)
大阪⇔ 福岡 松本 但馬 隠岐 出雲 松山 大分 熊本 宮崎
B区間(7,500)
大阪⇔ 札幌 沖縄 女満別 旭川 函館 青森 秋田 花巻 山形 三沢 仙台 新潟 長崎 鹿児島 種子島 屋久島 奄美大島
C区間(10,000)
大阪⇔ 石垣
【国際線】
JALの国際線でのマイルの利用は、片道7,500マイル・往復15,000マイルから可能です。JALではANAとは違い、国際線でも片道からマイルを利用することが可能です。
エコノミークラスの片道で、必要なマイル数の例は以下の通りです。
東京⇔ ソウル:7,500
東京⇔ 台北:10,000
東京⇔ グアム:10,000
東京⇔ バンコク:13,500
東京⇔ シドニー:18,000
東京⇔ パリ:26,000
東京⇔ ホノルル:20,000
東京⇔ サンフランシスコ:20,000
JALのプレミアムエコノミークラスは追加マイルが5,000以上必要、ビジネス・ファーストクラスは通常の2倍以上のマイルが必要となるので、マイルを使ってお得に良いクラスに乗りたい方にはANAがおすすめです。
マイレージのクレジットカード化は必須?
マイレージプログラムに入会するだけなら、クレジットカードを必ず作らなくてはならないということはありません。
マイレージプログラムに入会する際にもらえるマイレージカードは、クレジットカード機能がなく、入会金や年会費も無料です。そのため、気軽にマイレージプログラムに参加することがメリットと言えます。
しかし、マイレージプログラムに入会し、実際にマイルを貯めて行くのであればマイルが貯まるクレジットカードを持っている方が断然お得です。マイレージプログラムに入会し、どんどんマイルを貯めていきたい方は、クレジットカード機能のついたマイレージカードをつくるのがおすすめですよ!
飛行機にたまにしか乗らなくても使うべき?
マイレージプログラムや、マイルについて理解したところで、「自分は飛行機にたまにしか乗らないから…」と入会するかどうかを迷っている人もいるかもしれません。
ですが、飛行機にたまにしか乗らない場合でも、マイレージプログラムに入会し、マイルを貯めて行くこと自体に、なにかマイナスの影響はありません。
手続き等が面倒に感じることもあるかもしれませんが、持っていて損はないため、迷ったらマイレージカードを作って、マイレージプログラムを利用してみるのがおすすめです。
おすすめのマイレージカード
オススメのマイレージカードは以下の3つです。
JCB CARD W
JCB CARD Wは、マイルカード人気ナンバーワンのカードで、ANA・JALマイルを兼用で貯めることができます。ポイントもマイルもお得に貯めることができ、特に入会後3ヶ月間はポイントが10倍にもなるお得カードです。
また、39歳以下での申し込み限定で、年会費がずっと無料になるので、迷っている方は若いうちに申し込んでおくとお得ですね!
JCB CARD W plus L
JCB CARD W plus Lは、女性に嬉しい限定特典がたくさんついたカードです。JCB CARD Wと同様に39歳以下での申し込みで年会費が永年無料で、ポイントも通常のカードに比べて常に2倍のおすすめカードです。
ANA・JALのマイル兼用で、学生申し込みも可能です。また、ApplePayを利用すると利用金額の20%がキャッシュバックされるキャンペーンも行われていますよ!
ANA JCB 一般カード
ANAカードの中で人気ナンバーワンのANA JCB 一般カードです。ANA JCB 一般カードは、100円で1マイルがたまるため、ANAのマイレージプログラムを利用する人は必須のカードです。
初年度の年会費無料、毎年のカード継続時に1,000マイルのプレゼントもあります。また、年間の利用額が50万円を超えると、翌年の獲得ポイントが10%アップする制度もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
飛行機のマイルまとめ
飛行機をお得に利用することができるマイルについて、貯め方やJAL・ANAでの利用方法、おすすめのマイレージカードを紹介してきました。飛行機に頻繁に乗る方もそうでない方も、マイルを活用して旅行に行ける日を夢見て、今日からマイルを貯め始めてみてはいかがでしょう。