フライト中は携帯電話が使えないことが当たり前だった時代から、近年、飛行機内に機内Wi-Fiが搭載され、フライト中でも機内Wi-Fiサービスを使って通信を楽しむことができる機体が増えてきました。
でもこれまで携帯での通信が禁止されていたのに、「なぜWi-Fiは使えるの?」「安全に問題はないの?」と疑問に思う点も多いはず。そこで今回は、機内Wi-Fiサービスが利用可能な航空会社を紹介しながら、機内Wi-Fiの仕組みを徹底解説していきます。
スマホの通信機能やポケットWiFiはNG
飛行機内で、航空会社が提供するWi-Fiサービスを使って通信をすることは認められていますが、自分のスマホの通信機能や持参したポケットWi-Fiに繋いで外部と通信をすることは禁止されています。
特にポケットWi-Fiは、航空機のドアが閉められた瞬間から、電源を入れることすら航空法で禁止されているので、飛行機に乗る前に電源を切ることを忘れてはいけません。
また、2014年に改正された航空法によって、機内での携帯電話やスマホの使用は「電波を発しない状態」に設定しておけば認められることとなりましたが、スマホが発する電波によって飛行機の電気系統に問題が起こることを防ぐため、通信機能の利用は禁止されています。この違いをしっかりと理解した上で、次から機内のWi-Fi事情についてみていきましょう!
飛行機内で利用可能なWi-Fiサービスが登場
航空会社によって、飛行機内でWi-Fiサービスを提供しているフライトがあります。スマホを「機内モード」に設定後、航空会社が提供しているWi-Fiに繋ぐことは問題ないため、飛行機内のWi-Fiサービスによってフライト中でも通信が楽しめるようになったのです。
このWi-Fiサービス、普及度は航空会社によってさまざまですが、JALやANAの国内線は無料でWi-Fiサービスを使うことができる便があります。国際線になると有料となり、目安として1時間10ドル程度の料金がかかってしまいますが、基本的に日本の他の航空会社や海外の航空会社が提供しているWi-Fiサービスは有料なので、一般的と言えますね。
JAL国内線は2017年6月から、ANA国内線は2018年4月からそれぞれ無料の機内Wi-Fiサービスが開始され、現在は利用可能な便を増やしているという状況です。
飛行機内でのWi-Fiiサービス利用方法
飛行機内のWi-Fiサービスの利用について解説していきます。利用する航空会社がANAの場合もJALの場合も、共通した工程が多いので、まずは一般的な利用方法の流れを見ていきましょう。
国内線にて飛行機内のWi-Fiサービスを利用するためには、搭乗前に専用のアプリケーションをインストールする必要があります。国際線の場合には、事前の準備は必要なく、そのまま機内で「機内モード」に設定した端末でWi-Fiをオンにし接続すると料金プランが表示されます。
Wi-Fiに接続されると、各航空会社が提供しているWi-Fiの専用ポータルサイトを通り、そこでもオリジナルの動画コンテンツが楽しめます。このコンテンツ量は2社で比べると比較的ANAの方が豊富です。
飛行機内Wi-Fiサービス利用について:ANA
ANAの飛行機内のWi-Fiサービス利用について料金や詳しい利用方法を紹介します。ANAの専用ポータルサイトには、約180ものビデオコンテンツが用意されており、国内線は無料で、国際線は有料で機内Wi-Fiを利用し、これらのコンテンツを楽しむことができます。
国内線の場合には、搭乗前にANA公式のモバイルアプリ「ANA」のダウンロードが必要ですが、それさえしておけば、あとは飛行機に乗って機内Wi-Fiに繋ぐだけで、すぐに機内Wi-Fiの利用ができます。
国際線の場合の料金プランとデータ使用量は以下の通りです。国際線の機内Wi-Fiは、プランの制限時間内でも使用データの量が制限データ量を超えた時点で接続が終了してしまうため、注意してくださいね!
1時間プラン:$8.95(30MB上限)
フルフライトプラン:$19.95(100MB上限)
便によってはこちらの料金プランが適応されているものもあります。
3時間プラン:$ 16.95
フルフライトプラン(最大24時間):$ 21.95
詳しい利用方法は、こちらからチェックしてみてください。
飛行機内Wi-Fiサービス利用について: JAL
JALの飛行機内のWi-Fiサービス利用について料金や詳しい利用方法を紹介します。JALのフライトの中で、自分が利用するフライトに機内Wi-Fiが導入されているのかは、予約画面で確認することができます。機内Wi-Fiの導入路線は一部の路線に限られているので、予約時に忘れずに確認するようにしてくださいね!
機内Wi-Fiサービスは、フライトを利用する全クラスの乗客が対象ですが、ファーストクラスの利用者のみ、無料のクーポンがもらえます。JALの機内Wi-Fiのアピールポイントは、料金によって制限時間は決まっていますが、データの使用量の制限は決められていないところです。
国際線の機内Wi-Fiの料金は、以下の通りです。フライトプランというのは、24時間以内であれば国際線の乗り継ぎ便でも引き続き機内Wi-Fiの利用が可能となるプランです。
1時間プラン:$10.15
3時間プラン:$14.40
フライトプラン:$18.80
飛行機内Wi-Fiサービスが使える便なのか確認する方法
飛行機内のWi-Fiサービスは、現在はまだ、全路線対象とされていないため、機内でWi-Fiサービスを利用したいと考えている方は、自分の利用する飛行機が機内Wi-Fiサービスの対象便なのかを確認する必要があります。
JALでは予約時に確認と説明しましたが、ANAのフライトを利用する場合にも、自分の予約しようとしているフライトが機内Wi-Fiサービス利用可能な便であるのかは、予約時に確認することができます。
予約時に「Wi-Fi」の記載があり、文字が青色だった場合には全機材で機内Wi-Fiの利用が可能です。しかし文字がグレーだった場合には、一部の機材では機内Wi-Fiが利用できないということを表しています。また搭乗する際にも確認ができます。機内の入り口や壁面に「ANA Wi-Fi Service」というステッカーが貼られている機体は、Wi-Fiの利用が可能なのです。
飛行機内のWi-Fiサービスの仕組み
飛行機内で使えるWi-Fiサービスの仕組みについて、簡単に解説します。まず、フライト中にスマホの通信は禁止されているのに、なぜ機内Wi-Fiは利用可能なのかという点に関しては、着目ポイントとして通信方法の違いが挙げられます。
スマホや携帯電話は、地上にあるそれぞれの基地局と電波で通信をしていますが、機内Wi-Fiは通信衛星を経由して通信をしているため、飛行機の電気系統に影響を及ぼさないため、利用が可能なのです。
基本的に機内Wi-Fiは、離着陸時以外の時間(飛行中)であればいつでも利用が可能ですが、飛行状況や天候によって衛星通信の質が左右され、接続が不安定になったり中断してしまう可能性があるので、その点には注意が必要です。
飛行機内Wi-Fiサービスの利用期間
飛行機内のWi-Fiサービスは、Wi-Fi対応の航空機でのフライトの場合、原則離陸5分後から着陸の5分前まで利用可能となっています。離陸後の利用開始時間については、アナウンス等でお知らせされることもあるため安心ですが、着陸前には高度が3000フィート以下になった後、機体が着陸態勢に入ると機内Wi-Fiは自動的に接続が切られてしまいます。
そのため、着陸前の利用が終わる時間には、こまめに作業内容を保存するなど、気を配りながら作業を進めることが必要です。
飛行機内Wi-Fiサービス利用でできること
飛行機内のWi-Fiサービスを利用すると、フライト中にできるようになることの幅がグンと広がります。その選択肢の中から特に利用する人が多いものをピックアップしたものが以下の3つです。
SNSの更新・メールの送受信
Webブラウザでの検索
航空会社配信のコンテンツ利用
これらのことができるおかげで、フライト中でも家族や友達と連絡を取ったり、フライト中の様子をインスタグラムに投稿してみたり、お仕事に取り組むことができます。しかし、機内Wi-Fiを利用していても通信速度やデータ量の大きさの関係から、Youtubeなどのビデオストリーミングは利用できないことが多いため、動画サイトの利用はできないと考えておいた方が良いでしょう。
飛行機内Wi-Fiが繋がらない・使えない時は?
飛行機に乗って離陸が完了し「いざWi-Fiを使おう!」と思った時にWi-Fiに接続できなかったり、使えなかった時のショックは大きいです。そのような事態が起こった場合にはまず、自分の携帯をチェックしてみましょう。
チェックする際のポイントは、機内モード・Wi-Fiの設定が共にONになっているかという点です。もしもこの点に問題がなさそうであれば、携帯を再起動してみるのも一つの方法です。
機内Wi-Fiサービスは、天候や飛行ルートによって状況が左右されてしまうため、自分だけではなく周りの人もWi-Fiに繋がっていないようであれば、通信が回復するまで待つしか方法はありません。もしそれでも依然として機内Wi-Fiに接続ができない時には、CAさんに助けを求めましょう。
飛行機内Wi-Fiの無料利用が可能な海外の航空会社
飛行機内のWi-Fiサービスについて、ANAやJALを中心として紹介してきましたが、海外の航空会社の中にも機内Wi-Fiサービスが無料で利用できる航空会社がいくつかあります。以下にまとめておくので、航空会社に迷った時にはぜひ、機内Wi-Fiがあるかの情報も参考にして考えてみてくださいね!
無料Wi-Fiが使える航空会社
JetBlue Airways(アメリカ)
Air China(中国)
China Eastern Airline(中国)
Nok Air(タイ)
Turkish Airlines(トルコ)
Emirates(アラブ首長国連邦)
Philippine Airlines(フィリピン)
飛行機内Wi-Fiサービスまとめ
飛行機内で利用できるWi-Fiサービスについて、ANAとJALを中心に解説しました。フライト中は携帯が一切使えなかった時代から、「機内モード」に設定をした携帯が使えるようになり、今では機内でWi-Fiサービスを使って通信も楽しめるようになりました。普及率は低く、有料の航空会社も多いですが、機内Wi-Fi搭載のフライトを利用する場合には、一度使ってみてはいかがでしょう♪